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400馬力+5速MT化で走りの資質を高める
元祖高級車ベースで遊び倒せるドリフトスペックを構築
JZ系エンジンチューニングを得意とする“ラスティー”が、『真なる大人のドリ車』をテーマに仕上げたJZS171クラウンアスリートVの登場だ。
ユーザーカーに近い仕様とするべく、1JZエンジン本体はノーマル。そこにポン付け設計のオリジナルVRメタルフロープラスタービンを組み込み、トラストのスペックMインタークーラーやサードの大容量燃料ポンプなど補機類を強化。コストパフォーマンスを最重視したスペックを構築しているのだ。
本来、この仕様であればマージンを考えて設定ブースト圧は1.3キロとなるそうだが、デモカーでは1.4キロをかけて405ps/54.2kgmを発揮させている。4000〜5500rpmという実用域で最大トルクが発生するため、街乗りでの扱いやすさは抜群だ。
エンジンマネージメントに関しては、純正のフィードバックとの相性からサブコンは却下。理想はデモカーも使っているF-CON Vプロだが、パワーFCでも対応可能とのこと。
マフラーはバンパーをカットした上で、オリジナルのVRドルフィンテールをセット。80φのストレート構造で排気効率を確保しつつ、シャコタン対策でサイレンサーの取り付け位置をボディ側に追いやっているのもポイントだ。
足回りは、RGベースのオリジナルマイスターR車高調でセットアップ。バネレートは前後とも16kg/mmで、リヤにはリバンプストロークを稼ぐためのヘルパースプリングも採用する。基本的には街乗り仕様ということで乗り心地を重視しているが、減衰力調整でドリフトからタイムアタックまで対応する。
ドリフトに重要な切れ角は、タイロッドへのワッシャー組み込みで5度アップ。タイヤとの干渉を避けるために、フロントフェンダーは30mm叩き出し加工を行い、リヤ側はツメ折りとしている。
なお、ドリフト時は18インチだが、街乗りは19インチのラグジュアリー系ホイールを装着。普段は、サーキットを走るクルマの雰囲気を一切出さないようにしているという。
ステアリングは、ドリフト中に内装と肘が干渉することを嫌って330φのオリジナルをチョイス。シートはカラーが内装色とマッチしていることから、ランエボVIIの純正レカロを流用。市販されているJZS171用シートレールだと座面が純正位置まで上がってしまうため、特注でローマウント加工している。
そして、ミッションはラスティーお得意のAT→5速MT(R154)換装。専用ブラケットによるクラッチペダルやシフト位置には違和感も皆無で、5速MTのドライビングプレジャーをクラウンで味わえるのが楽しい。しっかり効くLSDとの組み合わせで、ギャラリーをアッといわせる迫力のドリフトが可能になるのだ。
また、VSC(ビークル・スタビリティ・コントロール)など、電子制御システムについてもトラブルはしっかりと解消済みだ。
「大人が楽しめるドリグリ車の提案ですね。Sタイヤ装着で、筑波1分4秒6をマークしているから結構速いですよ。MT化の予算は78万3900円(税別)なので、ベース車両の価格次第では200万円ちょいで作れると思います」と有田代表。
おとなしめの外観を保ちながらも、抑えるところをキッチリと抑えて仕上げられた大人のJZS171。チューンドベースが激減している今、こうしたチューンドの輝きは増すばかりだ。
●取材協力:ラスティー 千葉県白井市冨士51-4 TEL:047-441-6226
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