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RX-8を単なるスポーティカーと侮るなかれ!
的確な処方で覚醒したRX-8ストリート仕様
定評のあるチューンドECUをはじめ、足回りや吸排気、エアロまで、充実のパーツ群やメニューでSE3Pオーナーのチューニングライフを強烈にバックアップする“オーバードライブ”。そんな同社のノウハウが詰め込まれたマシンが、今回紹介するRX-8だ。
エンジンチューンの軸となるのは、排気を中心としたサイドポートの拡大加工。サイドシールの気密性を保つことでブローバイ対策を行いながら、ポートが早く開き、しかも一度に多くのガスを排出できるように、かなり大胆に排気ポートを削っていくという。
一方、吸気でエンジン性能を大きく左右するのは、全域で開口しているプライマリーポート。また、高回転の伸びに影響するオグジュアリーポートもコーナーシールが脱落しない程度に削り込む。ただし、当然ながら吸排気ともに削りすぎは禁物。テスト段階ではポートの開口面積を少しずつ増やしていきながら、問題なく車検をバスでき、なおかつ安定したアイドリングを維持できるポートを地道に探っていったのだ。
制御はECUチューン“チューンナップECUアドバンス”で行い、全域でストレスのない吹け上がりを実現。ノーマルデータは高回転域の空燃比がかなり濃いため、それがトップエンドでの伸び感に欠ける原因になっている。そのネガ部分を根本から改善するのだ。
また、このECUは電動ファンの作動ポイントの変更も実施されており、純正の100度から89度まで引き下げられている。スポーツ走行をすると水温が厳しくなるSE3Pには非常に有効なチューニングだ。ちなみに、デモカーではバッテリーの移設やサブラジエターの追加、コンデンサーの切開加工なども併せて行われている。
吸気系は、熱害を受けにくい純正クリーナーボックスを活かしたまま吸気効率を高めることが可能なレーシングファンネルをインストール。純正と置き換えるトレードインタイプのため、取り付けも簡単だ。
エキゾーストには、美しいソプラノサウンドを求めて試作とテストを重ねたオリジナルマフラーを装備。グラスウールを使用せず、パンチングパイプと隔壁、ステンレスウールで構成するため、経年劣化による消耗が少ないのもポイントだ。
足回りは、オリジナルの蹴脚ダンパーシリーズの最上級モデルとなる『蹴脚レーシング』でセットアップ。クァンタムをベースにしたスペシャルで、リヤはあえて全長調整機能を排除してオイル容量の拡大とストロークアップを実現。スプリングはアイバッハ(F15kg/mm R10kg/mm)を組み合わせている。
ブレーキはパッド交換で対応。SE3Pは前後に同じ摩材のパッドを使うとリヤが効きすぎ、コーナーの進入で一気にオーバー傾向に転じてしまう。そのため、独自の配合によって前後の制動バランスを最適化した制動屋ベースのオリジナルパッドを用意している。
エクステリアもオーバードライブの製品で統一。冷却性能と空力性能を追求したタイプGTフロントバンパーは、開口部をセンターに集約し、バンパー両サイドに大きな張り出しを配することで、強大なダウンフォースを獲得。ダクト内部ではバンパーと一体成型の導風板をラジエターのコア直前まで延長し、走行風を余すことなく取り込むデザインだ。
ボンネットはレインガードを装着しなくても雨水の浸入を防ぐことができ、なおかつエンジンルーム内のヒートエアをスムーズに排出するように設計。また、発熱しやすいミッショントンネルを冷やすためのダクトもセンターに配置されている。
ホイールは前後ともに17インチのボルクレーシングCE28Nで、10J+45の通し。タイヤはディレッツァZ1スタースペック(FR265/40-17)だ。駆動系はデフケースカバーを放熱性に優れる後期用に変更した上でOS技研のスーパーロックLSDを組み込み、ファイナルは4.7へとローギヤード化している。
RX-8固有のネガ要素を払拭しながら速さと楽しさを追求するマシンメイク。オーバードライブの明確なコンセプトが伝わってくるハイレベルなチューンドRX-8だ。
●取材協力:オーバードライブ TEL:072-920-6888
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