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過給機装着で全域性能アップを実現!
エンジン本体ノーマルのままでも十分なポテンシャルを発揮
マークIIの後継モデルとして、2004年に初代が登場したマークX。2代目130系は、2009年から2020年まで生産され、エンジンは2.5L・V6の4GR-FSEと3.5L・V6の2GR-FSEが搭載された。ミッションは限定モデルGRMNを除き、全モデル6速ATが組み合わされる。
今回取り上げるのは、4GR-FSEを搭載する250G’sで、岡山国際をメインにサーキット走行を楽しむオーナーが選択したチューニングはボルトオンスーパーチャージャー。その装着は、GR系エンジンに対して数多くの実績を持つ“トライアル”で行なわれた。
それまではEXマニとマフラーをスルガスピード製に交換したNAライトチューン仕様で実測213ps。スーパーチャージャー装着により、一気に293psまでパワーアップした。
「ところが、そのパワーに慣れてしまったオーナーさんから、もっと速くしたいというリクエストがありまして。すでにポート側インジェクターの容量を使い切っていたので、追加インジェクターを打って燃料を増量しました。設定ブースト圧0.6〜0.7キロで320ps…というのが今の仕様になります」とトライアル鶴田さん。
スーパーチャージャー本体は、トラクションドライブ方式(増速装置)を採用した遠心式のHKS製GT7040。専用ステーを介して右バンク下側に装着される。ルーツ式やリショルム式などに比べて本体が非常にコンパクトなため、エンジン形式を問わず装着しやすいのが大きなメリット。
燃料不足を解消してパワーアップを図るため、インテークパイプには2本の追加インジェクターをセット。RB26DETT純正444ccを流用する。鶴田さんいわく、「安全マージンを多く見て2本追加してますが、容量的には1本でも足りると思います」とのこと。
制御系はサードのCUVUエボリューションで燃調や点火時期、VVT-iなどのマップを最適化。直噴インジェクターとポートインジェクターの噴射量バランスなども見直される。HKS F-CON isは追加インジェクターのコントロールのみを担当。また、ダッシュボード右端には、アナログでブースト圧、デジタルで水温を表示するピボット製デュアルゲージを装着する。
エキゾーストは、メインサイレンサーからターンしてエンドパイプへと導かれるレイアウトが特徴的なスルガスピード製PFSループサウンドマフラーだ。101.6φの4本出しテールがリヤビューに迫力をプラスする。EXマニもスルガスピード製で排気効率の向上を実現。
マークXとは思えない、なかなか勇ましい排気音を聴きながら発進。遠心式スーパーチャージャーはその存在を一切感じさせることなく黙々と仕事をこなす。まず、普段乗りで多用する2000~4000rpmでのトルクアップを体感。ノーマルではやや線の細さを覚える回転域だけど、右足の動きに対してタイムラグなく過給が始まり、同時にトルクも立ち上がるため、アクセルを踏み直すようなシーンでもストレスなく加速していってくれる。
高速に乗ってアクセルを深く踏みながら本線に合流。4000rpmからタコメーターの針の動きに合わせてパワーを高めていく。その感覚はリニアのひと言。ある回転域から二次曲線的にパワーを伸ばすターボとは対照的で、ドライバーの意思に忠実なナチュラルなパワー特性。もちろん、レスポンスにも優れているからアクセルを踏むのが楽しいのだ。
スポーティセダンらしい動力性能を実現し、日常域での扱い易さも向上する4GRのボルトオンスーパーチャージャー仕様。これは、自信を持ってお勧めできるチューニングだ。
●取材協力:トライアル 大阪府堺市美原区丹上87-1 TEL:072-369-3539
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