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筑波1分切り目前のリアルチューンド
速さの秘密はデフオイル温度とリヤサスメンバー!?
他のチューニングショップに先駆けて、RZ34チューニングを推し進める“アドバンス”。今回紹介するのは、富士スピードウェイをテストステージに定め、様々な対策を施しながらステップアップさせてきた最新スペックだ。
開発コンセプトは、街乗りとサーキットの両立。ストリートに適した快適装備や乗り心地を残しながら、富士スピードウェイ1分55秒切り&筑波1分切りを目標に定めている。
RZ34の弱点をアドバンスの新堀代表に聞くと、開口一番に出てきたのが、デフオイルのヒート問題。サーキット初走行時は一瞬で200度を突破したという。そこで、HPIとの共同でデフオイルクーラーを開発。適正温度域でサーキットを連続周回できるように対策したのである。
また、1600kgオーバーという車重から、サーキットでGを掛けるとこの重さによってリヤサスペンションの剛性不足が顕著に感じ取れるという。
「とにかく最初はリヤサスがフニャフニャで、コーナーでアクセルが踏めませんでした」とは、開発ドライバーの菊地靖選手のコメント。対策として、リヤサスメンバーブッシュをリジット化して無駄な動きを抑制し、デフキャリアをマウントしているブッシュもリジット化。ここまで手を入れて、ようやくピュアスポーツらしい挙動が見えてきたそうだ。
RZ34の根本的な弱点を克服したところで、DG-5ベースのオリジナル車高調システム「FLATOUT SPL」を軸に足回りを煮詰めながら、接地性能アップを徹底追及。リヤサスはコイルオーバー仕様にすることで、スプリングの選択肢を増やしているのもポイントだ。
一方の機関系は、アドバンスオリジナルのフルストレートマフラー＆Yパイプを組み込んだ上、ECU-TEKによる現車合わせセッティングを敢行。最高出力は478ps＆67.5kgm（実測）まで高まっている。
また、RZ34は燃料が半分以下になると息継ぎ症状を起こすため、Z34用のインタンク式コレクタータンクを加工流用している。
HPIと共同開発したエンジンオイルクーラーはバンパー下側に装着。ミッションの油温はデフオイルほどシビアではないが、HPI製クーラーをグリル上部にマウントして安定させている。
ブレーキも初回テストで浮き彫りになったウィークポイントのひとつ。富士2ラップで挙動が怪しくなったという純正フロントキャリパーは捨て去り、アルコン製6ポットキャリパー＋プロジェクトミュー製390mmローター＆レーシング333パッドに変更。
リヤは純正キャリパーにコントロール性重視のプロジェクトミュー111パッドをセット。Z34系はリヤブレーキのロック時にABSがフリーズしてしまうことがあるため、リヤの制動力をあえて落とすことでこの事象を未然に防いでいるのだ。
エクステリアはニスモの純正フロントバンパーを最速で移植。バンパー自体は約11万円で購入できたものの、レンフォース（標準バンパー用では装着不可）や塗装などまで含めて、トータル30万円近くかかったそうだ。ボンネットはセイボン製を導入している。
ホイール&タイヤは2種類を使い分ける。ストリート用は純正タイヤサイズ（F255/40−19 R275/35−19）のままセッティングを煮詰めており、銘柄はエンケイGTC02（FR10J＋20）＋アドバンネオバAD09の組み合わせ。筑波サーキット走行時は、18インチのエンケイGTC01RR（FR11J＋16）＋アドバンA050(295/35-18)を試していた。
フェンダーにはモールが装着されているが、これについては「RZ34ニスモがフェンダーモールを付けていたのを見て、Z34ニスモ用のフェンダーモールを試しに当てがってみたんです。そしたらピッタリでした！」とは新堀代表。今後、RZ34の純正流用チューニングで流行りそうなカスタムだ。
取材は筑波サーキットで行ったが、アッサリと自己ベストとなる1分0秒200をマーク。「目標の1分切りができなかったのは残念！ それでも、色々と弱点を克服してきてクルマとしては良い状態になってきています。条件が揃えば1分切りも可能だと思いますよ」とは、アタックを担当した菊地靖選手の弁。
一方の新堀代表は「細部のセッティングを煮詰めて、さらに気温が低い時にアタックできれば、目標をクリアできそうです」と熱く語る。アドバンスのさらなる躍進に期待したい。
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●取材協力：アドバンス 横浜市都筑区池辺町3947-1 TEL：045-932-0656
【関連リンク】
アドバンス
http://www.advance-jp.com