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洗練された昭和後期ならではのボディラインが秀逸!
下品にならない街道テイストを攻めるAA63セリカ
頭文字Dの舞台でもある群馬県の榛名で開催された「All 86 Fan Meeting 」。その会場内で出会ったのがこの美しい3代目セリカだ。
なんでハチロクのイベントにセリカが…と思ってオーナーに話を聞くと、このモデルはAE86と同型の4A-Gを搭載したAA63型との回答。直列6気筒エンジン搭載のXXの陰に隠れてメジャーになりきれなかった存在だが、スタイリングは非常に美しく、どことなくハチロクの風を感じさせる。
「元々は71クレスタをカスタムして楽しんでたんですが、スポーツカーらしいボディのクルマも楽しそうだなと思いまして。やりすぎない程度の絶妙な街道レーサーテイストを目指しています」とはオーナー。
足回りは、純正ショックベースでオーナー自らが製作したオリジナル車高調をセットし、シャコタンスタイルを実現。ホイールは定番のSSRマークIII15インチ。サイズはフロントが8.5Jマイナス19、リヤが9Jマイナス25という構成だ。ホイールのチョイス、そして絶妙な車高から往年のチューンド旧車らしい雰囲気を醸し出す。
室内はストック状態を維持。シートも破れなどはなく美しいコンディションを保っている。シートの形状はおそらく10ソアラなどと同様のもの。70スープラ純正シートも多少形状は異なるが、似たような形状だ。適度なホールド感と長距離の快適性能を兼ね備えた、80年代のトヨタが考えるグランドツーリングシートなのだろう。
型式が表す通り、エンジンは4A-Gを搭載。機関系は快調ながらも、今後は見た目も含めたエンジンルーム周辺のリフレッシュを計画しているそうだ。ちなみに、適度なスポーティサウンドとシャコタンスタイルにマッチするシルエットが与えられたマフラーもオーナーの自作。
ボディは同色オールペンなどのリフレッシュが行われていることもあって、年式を感じさせないコンディションを誇る。シャコタンスタイルでありながらも、上品さすら感じるのは、やはり細部の美しさ有ってのことだろう。マイナー車ながらも、会場では一際目を引く存在感を放っていた一台だ。(取材イベント:All 86 Fan Meeting)