目次
愛情を注ぎこんだ4気筒ターボをスカイラインに搭載
オーバーハングの軽量化にも有効なスワップチューン
世にも奇妙な、SR20DET化したER34スカイラインの登場だ。ここで疑問に思うのは、6気筒のスカイラインになぜ4気筒を換装したのか…だ。
実はこのER34のオーナーは、以前チューンドS13に乗っていたが、結婚を機に4ドア車に乗り替えることになった。それでもチューニングカーに乗り続けたいという衝動が抑えきれず「せっかくエンジンがあるんやし」と、SR20DETをER34に換装したのである。ちなみに換装したSRは、HKS製の鍛造ピストンやハイカムが組まれた本格仕様だ。
組み合わせるタービンはウエストゲート式のTD06-25Gで、ブースト1.5キロ時に420psを発生する。
換装作業はS13用5速ミッションの位置を基準に進められた。すると、エンジンが2気筒分コンパクトになったこともあり、必然的にフロントミッド化が実現。フロントオーバーハングの軽量化というメリットが生まれた。
その一方で、直4は直6よりも振動が大きくなるというデメリットも生じるため、GT-R用の強化ゴムマウントを流用。衝撃を吸収しながら振動を抑制し、4ドアセダンらしい快適な乗り心地をキープしているのだ。
インタークーラーはトラストのS13用を使い、パイピングをワンオフしてノーマルバンパー内に綺麗に収めている。さらに、オイルクーラーはトラスト16段、ラジエターはサイドタンク式のフィーストオリジナルで、S13で使用していたものを再利用している。
エンジン制御はS13純正ECUとF-CON Vプロで行われる。元々、軽量化を施したS13に搭載していたが、ER34への換装にあたり低中速トルクを強調した仕様へと変更。ブーストも素早く立ち上がるようセッティングを見直し、重量ハンデをカバーする。
このER34は、元々RB25DEを搭載するグレード。NA用のデフでは不安があったため、R180からターボ用R200に変更された。そこにATS製の機械式LSDが組み込まれる。
メーターはタコメーターのパルスを変更し、SR20DETに対応。ER34純正メーターがそのまま使われていることもあり、エンジン換装というハードメイクが行われていることを全く感じさせない。
家族を乗せてのドライブからスポーツ走行、はたまた通勤までこなすオールラウンドなER34。チューニングの楽しさを教えてくれているような1台だ。
●取材協力:フィースト 愛媛県伊予郡松前町昌農内25-1 TEL:089-985-0504
【関連リンク】
フィースト
http://feast-power.jp/