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3代目ロードスターに13B-MSPを換装!
チューンドを感じさせない各部のメイキングも必見だ
コンパクトで軽量なボディを武器に、サーキットでも突出したコーナリングスピードを見せつけるNC型ロードスター。しかし、S2000を始めとするVTEC勢に比べるとパワー不足は否めず、トータルタイムでは大差が付いてしまうことが多い。
そこで、VTECに対抗できるパワーと速さを手に入れるために“フジタエンジニアリング”が選んだのは、13Bロータリーエンジンの換装だった。しかもチョイスしたのはRX-7の13B-REWではなく、RX-8の13B-MSP。圧縮比10.0のハイコンプNAロータリーで真っ向勝負できる仕様を作り上げたのだ。
搭載されたエンジンはフィーリングアップ+αを狙ったサイドポート拡大加工を施し、実測230ps/21kgmまでポテンシャルアップ。その特性はターボのような急激なトルク変動が起こらず、10000rpmまで吹け上がる官能的な高回転型スペックだ。
エンジンマネージメントはRX-8の純正ECU書き替えで対応。CAN通信の関係でセッティングは難航したそうだが、現在は全ての問題をクリアして快適なチューンドに仕上がっている。
サスペンションはFEEDのサスキット(FR13kg/mm)を軸に構築。ホイールは前後ともに8.5JのアドバンレーシングRG-D2、タイヤは245/45R17サイズのアドバンA08Bをセットする。
とてもロータリー搭載仕様とは思えないノーマル然としたインテリア。しかし、よく見るとメインメーターはRX-8純正の3連がゴッソリと組み込まれていたりする。この辺りのスマートな作り込みは、いかにもフジタエンジニアリングらしいメイキングだ。ミッションもRX-8の後期用6速を流用している。
「NCロードスターはシャーシやサスなど車体側の性能はすごく高いクルマなんです。でも、エンジンに関してはもうちょっと(笑)。というわけで、当社では得意とするロータリーエンジンを搭載。これが驚くほど高バランスで大正解でしたね」と製作者の藤田さんは語る。
実重量1150kgのオープンボディと高回転型NAロータリーの相性は想像以上に良く、旋回性能そのままに、どの回転域からもレスポンスよくパワーが追従し、レブリミットまで加速感が全く途切れない絶品フィーリングを実現。この爽快感はS2000と同等かそれ以上にも感じる。打倒VTECを掲げたNCロードスター改、ロータリーチューンの名門ならではのアプローチは見事しか言いようがない。
●取材協力:フジタエンジニアリング 大阪府堺市東区八下町1丁82-1 TEL:072-258-1313
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