「アフターホイールの世界に革命を起こした傑作」BBS RI-Dを振り返る

超超ジュラルミンが可能した超軽量の世界

難加工素材を攻略して生まれた驚異の軽量モデル

スポーツホイールに求められる性能、その代表格となるのは“軽さ”だ。BBSは常に軽量に対するアプローチを行ってきた。同社最大の強みは、40年以上にも及ぶ鍛造素材、鍛造技術に対する研究実績だ。

そして、従来のアルミ鍛造ホイールに使用されるA-6000系合金とは異なる、A-7000系合金での鍛造ホイール製造に着手したのである。

A-7000系とはアルミニウム合金の一種だが、別名『超超ジュラルミン』とも呼ばれる航空機に用いられる最高強度を持つ素材。もちろん、A-7000系に着目したホイールメーカーは数多くあったが、A-6000系に比べて加工が困難なことや、耐腐食性の低さからホイールには不向きな素材とされていた。

金型がセットされたプレスマシンによって、アルミビレットが鍛造されようとしている瞬間。画像は6000tプレス鍛造機で、BBSは最大の9000tプレス機を始め8台を導入。一度に成型するのではなく、平に伸ばす、デザインを作り込む…といったように段階的に巨大な圧力を与えて製造される。

しかし、BBSでは高度な熱処理によって耐腐食性の問題を克服。さらに、通常のアルミ鍛造に対して約6倍という製造時間をかけて加工を行うことで、ついに世界初の超超ジュラルミン鍛造ホイールの製造に成功したのだ。

アルミ鍛造よりも引っ張り強度や耐力に優れるだけに、超超ジュラルミン鍛造ホイールはデザインでさらなる軽さを追い込むことが可能になった。割れや曲がりに強く、応力分散に優れる伝統のクロススポークデザインを踏襲しながら、エッジ感をさらに増幅。それが、2011年に登場したBBSのハイエンドモデル『RI-D』なのである。

サイズ展開は19インチから21インチまでと、主に世界のハイエンドスポーツをターゲットにしているが、代表モデルとなっているR35GT-R用では、一般的なサイズだけでなくBBSとしては珍しくローダウンを見据えたチューナーサイズも用意。具体的には、前後20インチのフロント10Jインセット35、リヤ11Jインセット15という攻めたサイズも設定されているのだ。

ちなみに、このサイズの重量はフロント8.6kg/リヤ9.1kgで、この数値はなんと純正ホイールの7割強でしかない。この重量比こそ、超超ジュラルミン鍛造ホイールの説得力なのでる。

マグネシウム鍛造のようにシビアな性能管理を必要とせず、アルミニウム鍛造を超えるスペックを誇る素材。超超ジュラルミン鍛造のインパクトが、レスポンスや制動性能を鍛えるとともに乗り味や乗り心地を向上させ、走りの次元を高めることになるのだ。

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●問い合わせ:BBS TEL:03-6402-3957

製品仕様
BBS RI-D
19インチ:8.0J〜12.0J 26万6200円〜29万8100円
20インチ:8.5J〜11.5J 30万5800円〜33万1100円
21インチ:9.0J〜10.5J 34万4300円〜35万4200円

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