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初代オルティアにタイプRの遺伝子を注入
DC2のエンジンとミッションをスワップした快速ワゴン!
思わず「EKシビックにワゴンなんてあったっけ?」と悩んでしまうが、この車両は初代オルティアをベースに広島県の“レッグモータースポーツ”が、EK9シビックのフロントフェイスをスワップしたチューンドだ。
しかし、真に注目すべきはエンジン。「レジャーも満喫できて、サーキットでも楽しめる」をコンセプトに、DC2インテグラタイプRのB18Cを換装しているのだ。ベースのオルティアはB18Bを搭載する5速MTのEL1型だが、エンジンスペックは140psとスポーツ走行にはパワー不足。そこで、200psを発生するB18Cへのスワップを敢行したのである。
同じB型エンジンの換装であること、オルティアがEKシビックのプラットフォームを使っていることもあって、パワートレインは無加工で換装が可能。
しかし、EL1はオートエアコンなのに対し、DC2はマニュアルエアコンと制御が異なるため、ハーネスの加工が必要になるなど苦労した点もあったという。エアコンコンデンサーはDC2純正を流用することで、フルサイズのラジエターでもエアコンの使用を可能としている。
エンジン本体はノーマルのまま、スプーンのEXマニやタナベのマフラーで排気系チューンを実施。さらに、ラジエターはARCのフルサイズに交換される。
ECUはDC2純正を導入してB18Cをコントロール。基本的に燃調や点火時期のリセッティングは行われていないが、サーキットでも実力をフル発揮させるため、スピードリミッターのみカットされている。
5速MTモデルをベースにしているが、B18Cとのマッチングを考えて、ミッションはクロスギヤ仕様のDC2純正5速へ変更。さらに、ノーマルでヘリカルLSDが組み込まれている点も、ミッション&デフ換装の大きなメリットだ。
足回りはボルトオン可能なEK9用のRG車高調でセットアップ。さらに、5穴化を図るためにナックルアームごとEK9のハブを移植。フロントブレーキはスプーンのツインブロックキャリパーで強化済みだ。
リヤはオルティアのトレーリングアームにEK9の5穴ハブを溶接して接合。裏側には、その加工の形跡が残っている。
室内にはロールケージも装備されておらずハードな印象は受けないが、ゴムモール類をめくってみるとリベット補強の痕跡が現れる。開口面積が大きなワゴンボディにハイパワーユニットを搭載するにあたり、開口部を中心にボディ補強を実施しているのだ。
コクピットではホーンボタンをNSXタイプR純正に交換し、スピードメーターもスプーンの240km/hスケールに変更。シンプルだが、クリーン&スポーティな印象を受けるメイキングだ。
シフトノブにはDC2純正のチタン製をチョイス。随所にホンダのスポーツモデル用アイテムを導入しているのだ。
タイプRと比べても引けを取らない動力性能を実現したオルティア“タイプR”仕様。車体から溢れ出るオーラは、もはや完全にスポーツマシンのそれだ。
●取材協力:レッグモータースポーツ 広島県安芸区船越南3-18-13 TEL:082-823-5888
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