目次
雨さんの想いが詰め込まれたNAスーパー7
流麗なシルエットと珠玉のNAペリユニット
FD3Sは“RE雨宮”の歴史の中で、最も長く深く使い込まれたRX-7だ。その過程で様々なスーパーチューンドを世に送り出してはファンを驚かせ、そして感動させ続けてきた。
ここで紹介する“NAスーパー7”もその例に漏れず、2012年の東京オートサロンで発表するやいなや、その日本車離れした独創フォルムが大きな話題を呼んだストリートモデルだ。細部を見ていく。
エクステリアは圧巻だ。特徴的なダブルバブルルーフやリヤゲートなど、ベースとなるFD3Sの面影はわずかに残されている。しかし、全長4300mm×全幅1976mmと、大幅にディメンジョン(ノーマル4285mm×1760mm)が拡大され生まれ変わったトータルフォルムから溢れ出すアピアランスは、もはや完全なる近未来型コンセプトモデルのクオリティなのである。
無論、走りに関するチューニングにも余念はない。筑波1分切りをターゲットタイムに据え、パワーソースには同社がスーパーGT選手権というフィールドで培った16年分のレーシングテクノロジーの結晶とも言うべき、レブリミット10000rpmの13B-REW改NAペリ仕様を採用。
これは、FC輸出用の9.7高圧縮ローターにセラミックアペックシール、そしてMデバイス製の50φ多連スロットル等、スーパーGT用エンジンパーツを基幹としつつ、インマニ径やEXマニの集合位置を変更してピークトルク発生回転を下げ、より実用型へとパワー特性をリメイクしたスペシャルである。なお、エンジン搭載位置もバルクヘッド方向へ80mm、下方向へ約40mmほどオフセットさせ、軸重を最適化している点も見逃せない。
そんな珠玉のユニットに、RX-8用6速ミッションとORC製の超軽量クラッチ(レーシングコンセプト)をセットし、バイクのようなレスポンスとパワーフィールを実現しているのだ。
エンジンオイルクーラー脇に確認できるコアは、ミッション用のオイルクーラーだ。「エイトのミッションはサーキットを全開で走るとすぐにヒートしちゃうからさ」とは雨さん。
エクステリアのハイエンド感を損なわないよう、レッドを基調に美しく再構築されたインテリア。メインメーターはレースパック製のデジタルダッシュへと変更されている。
モノコック部を燃料タンク位置ギリギリまで削り、リヤタイヤ後部のアウトレットダクトを限界まで拡大することで流麗かつ独創的なリヤビューを演出。テールランプはバイク用を流用、エキゾーストマフラーはセンター出しのオリジナルツインテール形状を採用する。
サスペンションにはクァンタムT4-LM(F16kg/mm R18kg/mm)ベースの雨宮スペックを装備。フロントで存在を主張するブレーキは雨宮オリジナル6ポットキャリパー+355mmローターだ。
ラウンド形状が美しいホイールは20インチのエンケイGTC-01。タイヤにはアドバンスポーツ(F255/30-20 R305/25-20)をセットする。
雨宮セブンの究極進化形態。超大作と呼ぶに相応しいNAスーパー7は、オートサロン会期中に行われた東京国際カスタムカーコンテスト2012で、見事チューニングカー部門の最優秀賞に輝き、有終の美を飾ったのだ。
●取材協力:RE雨宮 千葉県富里市七栄439-10 TEL:0476-90-0007
【関連リンク】
RE雨宮
http://www.re-amemiya.co.jp/