「希少性なぞ知ったことか!」カウンタック・アニバーサリーの漢気チューンドに乾杯

スーパーカーブームを牽引した絶対的存在をイジる!

唯一無二の存在に昇華した憧れのスーパーカー!!

まさか、こういうカウンタックがあるとは思わなかった。

なぜなら、今や程度の良い個体はほぼ皆無という状況。加えて、中古車価格も3000万円オーバーというから簡単に手を出せない&チューニングにも踏み切れないだろうし、何より世のエンスー系クルマ好き連中によって「この手のスーパーカーはフルノーマルで乗るのが正統派」みたいな、実にくだらない風潮が広まっていたりするからだ。

だからこそ、オーナーからのリクエストに応えて、クライスジークがきっちり手を入れたこのカウンタック25thアニバーサリーの存在は痛快以外の何者でもない。

エンジン本体こそノーマルだが、元々455psを誇る5.2LのV12を積んでいるわけで、普通に考えたらあえてチューニングする必要がないのも事実。現状、点火系が純正のイタリア・マレリ製からMSD M8に交換され、マフラーがクライスジークオリジナルの可変バルブ付きがインストールされているのみだが、それで十分だったりする。

このマフラー、カチ上げセンターデュアル出しというレイアウトもさることながら。バルブを開けた時の直管モードは車内で会話できないくらいの爆音仕様である。もちろん、いかにも悪そうなリヤビューを演出するのにも一役買っている。

そんなエンジンに対して、足回りには何度も仕様変更を繰り返して煮つめられたアラゴスタ特注車高調が奢られている。リヤはツインダンパー式だ。バネレートはフロント14kg/mm、リヤ8kg/mm×2本。また、ブレーキは前後ともブレンボF50キャリパー+355mmローターで、リヤにはサイドブレーキ用キャリパーも設けられる。制動力は抜群で、初期からカチッと効いてくれる。

さらに、一番の見どころと言えるのがエクステリアだ。パテ埋めで叩き出し風に改められた前後フェンダーやリヤバンパーには、大胆にもエア抜きダクトが設けられ、フロントフードはディアブロGT風ダクトを備えたカーボン製のワンオフ品に交換。サイドミラーは台座を作った上でクラフトスクエア製が装着され、リヤウイングもノーマルをベースにして翼端板をワンオフ製作した逸品だ。

仕上げはボディカラーで、カーボンフロントフードに合わせ、なんとBNR32の純正色をベースにしたガンメタでオールペンされているのだ。ここまでやったオーナーには、もう脱帽するしかない。

美しいデザインのホイールはNEEZのマグネシウム鍛造18インチで、フロント8.5Jオフセット−10、リヤはなんと13Jオフセット−27! タイヤはフロント225/35、リヤ335/30サイズのピレリPゼロがセットされる。

今回はクライスジークのご厚意によってハンドルを握ることができたのだが、異様に低い着座位置と手足を前に投げ出すようなドライビングポジション、目の前まで迫ったフロントウインドウがすでに異次元の世界。

可変バルブマフラーを直管モードにして、背中越しに唸るV12の強烈な存在感を感じながらスタートする。5.2Lの低速トルクはハンパでなく、あっけないほどスルスルと走りはじめた。

ひと昔前のチューニングカーを思わせる重いクラッチと、ゲートに沿って丁寧に操作しなければならないシフトを除けば、至って普通に乗れてしまうことにまず感動だ。後方視界だけは絶望的だが、車両感覚を掴むのも割と簡単だったりする。

前が空いたところで、いよいよフルスロットル。強大なトルクで一瞬ドン!と蹴り出されたかと思ったら、エンジン回転数の上昇とともにその感覚がいっそう高まっていく。とくに3500rpmからが圧巻で、吹け上がりかたは軽快というよりも力強く荒々しい。いやはや、凄まじい迫力。アイポイントの低さと急激にトーンを高めていくV12サウンドがそこに輪をかけ、ワープでもするんじゃないか!? と思わず錯覚してしまった。体感的な速さは、まさに鳥肌ものだ。

わずか数10分の試乗で、降りたあとここまでの脱力感を味わったクルマは久しぶり。チューンドカウンタックは、想像を絶するほど刺激的だった。

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REPORT:Kentaro HIROSHIMA
取材協力:クライスジーク

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クライスジーク
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