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オーテックが手がけたチューンドをさらにイジる!
吸排気+ECUチューンで楽しさ倍増
キュートさが際立つK12型マーチだが、専用のカムシャフトやピストン、11.5の高圧縮ヘッド…と、オーテックがチューニングを手がけた12SRという本気のスポーツグレードが存在する。とはいえ、量産車ゆえに手を入れる余地は少なくない。そこで、ギリギリまでエコ性能をそぎ落とし、さらにストイックなマシンに仕上げてきたのが“からくりはうす”のチューニング部門“デバイス”だ。
パワーチューンの内容は、吸排気環境の一新とECUセッティングが軸だ。まず、排気系ではEXマニに注目。オリジナルの4-1レイアウトEXマニは、触媒レスとすることで完全等長レイウアトを実現。単品装着では競技専用となるが、オリジナルのセンターパイプとスポーツキャタライザーの同時装着によって車検対応としている点も見逃せない。
マフラーはメインパイプ径50.8φ、テール系115φを採用するオリジナル。フルステンレス製で純正の約5kgに対し約3kgの軽量化を実現する他、ストレート構造のメインパイプと出口のファンネル形状によって排気環境を改善する。
また、ノーマルのエアクリーナーはエンジンヘッドカバー内に設置されているが、これをインテークボックス外にレイアウト変更し、充填効率を向上させ高回転領域での空気量をアップさせている。
そしてECUチューン。燃調や点火時期のリセッティングはもちろん、レブリミットやスピードリミットも引き上げ。これらのメニューで実測137psを発生させ、8500rpm域までパワーが追従するパワーを獲得しているのだ。
バッテリーには独自のアースターミナルキットが装着されているが、これについては「コンパクトの中でも1200ccと小排気量だから、パワーとトルクを稼ぐためには電源系も大切なんだよね」と、からくりはうすの稲田代表。
コクピット環境の改善にも余念はない。シートポジションのローダウン化に合わせ、ステアリングも純正チルトをアダプターにより25mm下方へオフセットさせるチューニングパーツをキット化。完全ポン付けで、スポーツ走行を好むマーチユーザー(2005年8月以降の中期・後期適合)にお勧めの逸品とのことだ。
さらに、バケットシートとの相性を高めるため、ノーマルで3速位置が1速となるよう調整されたショートストロークのシフトレバーも開発した。
サスペンションは、デバイス車高調ハードIIIを軸に構築。前後倒立式で、ピロアッパーマウントを標準化したハイスペックモデルだ。
リヤダンパーは本来スプリングが別体となるが、車高をより下げるために一体式としつつダンパーのストローク量と柔軟さを確保。ショックをハの字に傾けることで左右ブレの発生とキャスター角が起きるのを矯正しているのも特徴だ。
そんな高性能サスの性能を引き出すためのボディ剛性アップも敢行した。各種補強バーの追加や、フレームとフロントメンバーを同時に補強し、確実にパワーを路面へと伝達させるリジットメンバーブレースなど独自の補強パーツを投入している。ノーマルのマーチに対して剛性アップが図られている12SRだが「それでも剛性が足りなすぎ。オープンカーの設定もあるクルマやから、車体下側の補強がキモになるよ」とのこと。
ステアリング操作に対するシャープな動きと、レスポンスアップしたエンジンとのバランスが整えられ「これがマーチか!」と驚かずにはいられない、感性を刺激するホットコンパクトに仕上げられている。
●取材協力:からくりはうす 奈良県大和郡山市中城町三坪119-1 TEL:0743-23-1313
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