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タモンデザイン渾身のタイムアタックエアロで武装
描き出される躍動感と優越感
筑波サーキットや富士スピードウェイを中心に、スポーツ走行を楽しんでいるというオーナー。自走でサーキットまで往来できることを前提に、愛機のAP1はパワーよりもフットワークに拘ったマシンメイクを施してきた。
そして、さらなるコーナリング性能を追求するための手段として、思い立ったのがワイドボディ化である。そんな時、偶然にも知り合いだったタモンデザインの庄司代表がS2000のベースマシンを探していると知り、早速その工房を訪れた。それが、サーキット攻略のための機能を存分に盛り込んだスポーツスタイリングを構築する『MS-S2KR』が生み出された経緯だ。
フロントはS2000特有のロングノーズをさらに50mmほど延長し、3D形状のアンダースウィープをインストール。空力を追求しながら、曲面を活かしてスポーティさに磨きをかけている。
フェンダーはフロント片側30mm、リヤ片側40mmのワイド仕様となる。曲面を逆Rとすることで通常のオーバーフェンダーではあり得ないエッジ感を演出しているのは、さすがタモンデザインだ。ホイールはボルクレーシングCE28Nで、サイズはフロント9.5J+40、リヤ9.5J+22。タイヤにはアドバンネオバAD08の255/40-17サイズを選択する。
無論、このマシンは同ボディキットの装着を前提としたセットアップが行われている。その最たる例がサスペンションで、アラゴスタ製車高調キットは減衰力からバネレートに至るまでの全てのプロフィール(ラーナスプリング:F18kg/mm R16kg/mm)を最適化。いわば、アラゴスタのワイドボディSPLとでも言うべきスペックを持たせている。LSDはATSのカーボン、ファイナルは4.3を組む。
リヤバンパーは純正よりもオーバーハング方向に短縮することで、トータルフォルムを追求。また、リヤディフューザーはエア抜きのダクトが設けられ、ルックスと機能の両面でレーシーさが演出される。
GTウイングはトランクリッドの最後端にマウント。高機能エアロメーカー“ボルテックス”の中嶋代表自らが、スタイル的にも機能的にも最大限の効果を発揮するポイントに設置したというものだ。
心臓部は、F20Cの素性を活かすべく吸排気+ECUチューンという必要最小限のメニューに留めている。特にアミューズのハイテックROMはアクセルレスポンスが大幅に向上したそうだ。
もちろん、機能に裏づけされた優美なフォルムは、オーナーに最上の優越感を与えてくれるもの。そこに、自ら選んだランボルギーニ・ムルシエラゴ純正色の『イタリアングレー』がグラマラスな印象を落とし込み、まさに欧州スーパースポーツを彷彿とさせるエクステリアへと昇華させている。
●取材協力:タモンデザイン 三重県多気郡多気五桂1475-3 TEL:0598-37-2266
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