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エンジンスワップの名店が作り上げた脱定番シルビア
高耐久かつ怒涛の低回転トルクを実現したドリグリ仕様!
このS14後期は、スワップチューンを得意とする“C&Yスポーツ”の元デモカー。「RB26じゃ定番すぎると思ったので、あえて1JZ-GTEを搭載してみた」とのことで、JZX110マークII用のVVT-i付き1JZをスワップしているのがポイントだ。
1JZ-GTEとSR20DETとでは、インテーク&エキゾーストの位置関係が真逆だ。その辻褄合わせでフロアを若干叩き出す必要はあるものの、エンジンルーム自体には余裕があるため、換装作業はさほど難しくないとのこと。
組み合わせるタービンは、TO4Sに近い風量&特性を持つウエストゲート式のターボネティクス製。ブースト制御はブリッツSBCi-Dで行われ、最大1.3キロ時に450psを発生させている。
インジェクターはサード530cc、燃料ポンプは東名パワードの大容量タイプに交換。また、エンジン本体はHKSメタルヘッドガスケットの他、インテーク側にVカム+エキゾースト側にハイカムを導入するなど、タービンの性能をフルに引き出すためのチューニングが施される。
エンジン制御は、JZX100純正ECUにF-CON Vプロを組み合わせてドライブ。タコメーターはS14純正だが、スピードメーターはトヨタ車と日産車では車速信号が異なるため、JZA80スープラ純正を流用して動かしている。ちなみに、トヨタ車に日産のエンジンを搭載する場合は、車速信号の変換アダプターで対応できるという。
ミッションにはHKSのシーケンシャル5速ドグを奢っているが、JZX110の純正5速であれば違和感の無いポジションで搭載可能とのこと。なお、C&YスポーツではS14/15用にJZエンジン&ミッションを積むためのスワップキットを用意しているため、コストも抑えられるそうだ。
ブレーキはトラストのグレッディ4ポットキャリパーキットで強化。サスペンションはエナペタルの車高調にフロント14kg/mm、リヤ10kg/mmのスウィフトスプリングを合わせる。
その他、イケヤフォーミュラのロワアームやGPスポーツの切れ角アップナックルを導入し、ブッシュ類もフルピロ化。グリップのみならず、ドリフトまで楽しめるスペックとして煮詰められているのだ。
室内はオクヤマのクロモリ製10点式ロールケージが装着される。アンダーコートの除去など軽量化も行われているが、サーキット専用ではなくストリートでも乗るため、エアコンやオーディオは残されている。
「確かにフロントヘビーにはなります。でも、それ以上にシルビアと1JZのコンビは速くて楽しいです。ホイールベースが短い分、クイック感はツアラー系とは別次元ですしね」と知念代表。脱定番を目指した稀有な1Jシルビアは、想像以上の快適性と速さを秘めているというわけだ。
●取材協力:C&Yスポーツ TEL:0561-38-8325
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