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ハイカム領域を使い切る高回転型の270馬力仕様!
豊富なレース経験を持つマックスレーシングらしい作品
鈴鹿、岡山国際、セントラルなど西日本のサーキットを主戦場に戦うカリカリのFD2シビックタイプR。排気量アップはあえて行わず、2.0Lのままメカチューンを突き詰めた“マックスレーシング”の作品だ。
高回転仕様も一つのテーマのため、ヘッドにはサージング対策の強化バルブスプリングを組んだ上で、戸田レーシングのA3カムを投入。
一方の腰下は、ピストンの重心とピストンピンを極限まで近づけた、トレーシースポーツのハイコンプショートピストンとロングコンロッドを選択。抵抗となるピストンスカートもショート化されているため、ストレスなく高回転まで吹け上がるスペックが実現できるのだ。設定圧縮比は12.5(ノーマル11.7)、最高出力は270ps&24.7kgmを実測で発生させている。
純正エアクリボックス内に装着するのは、オリジナルのレーシングファンネル。ファンネル効果で広範囲から効率よく吸入することが可能で、シャーシダイナモでは全域でのパワーアップを確認できたそうだ。
内部に凹凸がある蛇腹の純正パイプに対し、抵抗のないスムーズな流入を狙って製作されたオリジナルサクションパイプ。5プライのシリコンホースが使用されていて、変形が少なく、熱害の影響も受けにくい設計となっている。
エンジン制御には、HONDATAを使用。電子制御スロットルや各補正マップの制御など、変更可能なパロメーターは非常に多いが、FD2はバルタイの煮詰めでエンジンのキャラクターを大きく変えていけるそうだ。
エキゾーストマフラーは80φテールを採用するオリジナル。センターパイプとリヤピースで構成され、それぞれにチタンとステンレスを設定。なお、フルチタンであればノーマルの14.23kgから5.52kgへと大幅な軽量化が可能だ。
エンジンマウントはオリジナルの強化品を投入。これは、隙間に樹脂や硬質ゴムを流し込んで強化を図る一般的な工法ではなく、イチから材質を見直して製作したスペシャル。ノーマル比150%ほどの硬質化が図られていて、コーナーの進入でもヨレやタワミをしっかり抑え、高い接地性を与えてくれる。
ミッションに関しては、FD2純正の4-5-6速がややハイギヤード設定なのでDC5純正ギヤを流用。しかし、そうするとFD2純正5.06ファイナルではローギヤードすぎるし、逆にDC5純正の4.76では全域で伸びが不足する。
そこで、その間を埋める4.94ファイナルをオリジナルで開発。強度にも拘り、純正同等の素材を使って国内生産しているというから恐れ入る。
車高調はクラックス製をベースにしたオリジナルスペックだ。スプリングはフロントが14kg/mm、リヤが15kg/mmという組み合わせ。特にリヤは180mmと自由長を長くとり、ロールを活かす方向でセットアップ。同時に、ストローク量が増えたことに対してはガス圧を上げてダンパーの過剰な動きを規制してバランスさせている。LSDにはOS技研のスーパーロックを奢る。
タイヤはヴェンタスR-S3(F255/35-18 R235/40-18)を選択。ワイドタイヤ&ローインセットのホイール(SSRタイプF:F9.5J+40 R9.0J+50)を履きこなすべく、わざわざフロントワイドフェンダーを製作した。
豊富なレース経験を持つ、マックスレーシングらしい拘りが詰め込まれたFD2シビックタイプR。何より、9000rpmまで文字通り“弾けるように”吹け上がるエンジンは感動的ですらある。販売終了から久しいFD2ではあるが、その戦闘能力はまだまだ一級品であることを示したチューンドだ。
●問い合わせ:マックスレーシング 大阪府八尾市太田新町7-217-1 TEL:072-920-6886
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マックスレーシング
http://www.maxracing.co.jp/