目次
1000馬力を完全掌握する老舗のチューニング
グリップの破綻やABS介入など不安要素は一切無し!
発売から15年が経過し、熟成を重ねるR35GT-R。2007年のデビュー時は480psだったVR38DETTも、アップデートにより最新のニスモ2020モデルでは600psという大台に突入。基本パッケージは変えず、マイナーチェンジを繰り返しながら常に最新であり、最速であり続ける日産のフラッグシップスポーツだ。
同時にロングライフモデルとなったことでチューニングの手法も確立。快適性を犠牲にせず、1000psオーバーも実現可能なR35&VR38DETTユニットの登場は、国産チューニングの常識を変えたとも言える。そんなハイチューンGT-Rを得意としているのが、お馴染みのフェニックスパワーだ。
豊富なノウハウを注入して製作されたエンジンは、排気量を4.3L化した上でTD06SH-20RXタービンをセット。最高出力は1020㎰&126kgm(ブースト1.65キロ)に達しているが、ECUセッティングで唐突感のないフィーリングを徹底追求。結果として、一般ユーザーでもガンガン踏んでいける仕様に仕上がったそうだ。
ミッションはLINNEYの8プレート強化クラッチや9プレート強化ETS、PPG製強化ギヤなどを組み込んで耐久性向上を図りつつ、フェニックスパワーオリジナルのミッションECUプログラムにて制御を最適化している。
大パワーを受け止める足回りはアラゴスタベースのオリジナル車高調で、スプリングはラーナ直巻きのフロント28kg/mm、リヤ20kg/mmをセット。
ホイールはボルクレーシングTE37(F11J+15 R11J±0)。フロントフェンダーをトップシークレットのワイドタイプに変更することで、前後とも305/30ZR20サイズという極太のフージャーDOTラジアルを飲み込んでいる。
ちなみにTE37は色違いで複数セットを用意。ブレーキはエンドレスのモノブロックキャリパー(F6ポット R4ポット)に2ピースフローティングローター(F400mm R387mm)の組み合わせだ。
インテリアは軽量化無しの快適仕様。運転席のみレカロのRM-Sに交換されているが、街乗りも考慮した範囲でのスポーツ性だ。
正確な車両情報を把握するためにメインメーターはモーテックのカラーディスプレイモニターに変更。デジタルメーターのデザインをR35GT-Rに合わせてリメイクしているため違和感は全くない。
このチューンドをセントラルサーキットで走らせた佐藤公哉選手は「とにかくパワフルで、全てにおいて高次元。1000馬力というパワーに意識が奪われがちだけど、曲がる・止まるのセットもバランスが良かった。R35は車重があるから動きすぎない足に仕上げることが大切なんだけど、そのバランスも絶妙。とんでもないチューニングカーだね」と絶賛。
この日のベストタイムは1分18秒316。底が見えない戦闘力。まさに、フェニックスパワーが名門たる所以を強く感じさせてくれるスーパーチューンドだ。
●取材協力:フェニックスパワー 福井店:福井県坂井市丸岡町朝陽2-317 TEL:0776-67-2980/京都店:京都府久世郡久御山町佐古外屋敷37-2 TEL:0774-48-1157
【関連リンク】
フェニックスパワー
http://www.phoenixs.co.jp