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NSXの理想系を追い求めたルートKSのゼロフォース・ファイナル
希少モデルのSゼロをベースに限定17セットのボディキットを開発
NSX専門店として、多くのオーナーから確かな信頼を得ている“ルートKS”。希少性が高くコンディションの良い車体を販売する鈴鹿ショールームの他、チューニングカーの販売やボディメイク&チューニングを担当する伊賀店も立ち上げ、NSXのことならどんな要求にも応えられる体制を整えている。
今回紹介するNSXは、そんな“ルートKS”の川合代表がショップ設立以前から所有している新車ワンオーナーの愛車だ。
ベース車両は希少なタイプS-ZEROというモデル。これは1997年2月のマイナーチェンジで登場したII型(NA2)のタイプSベースのクラブマンスポーツ仕様なのだが、その後、発展系としてNSX-Rが設定されたこともあり、S-ZEROの販売台数はわずかに14台。非常に希少な個体なのである。
ちなみに、この車両は2003年にルートKSの初代デモカーとして筑波サーキットアタックを敢行し、目標に掲げた1分切りは惜しくも果たせなかったものの、当時NSX最速となる1分0秒3を記録している。
ルートKSの足跡を語る上で外すことのできないS-ZEROは、その後も進化を続け、取材時にはオリジナルのワイドボディキットで全身を覆っていた。
細部を見ていく。エクステリアは、後期型の固定式ヘッドライトを組み込んだ上、往年のスーパーGTマシンを彷彿とさせるインパクトを有するゼロフォース・ファイナルでフル武装。
このキットは、2010年にルートKSが17セット限定で販売し、一瞬で完売したコンプリートエアロ。エスプリをはじめ、タイムアタックシーンで活躍を見せるNSX勢が好んで装着していることでも知られる高機能スペシャルだ。
シュノーケルダクトもルートKSのオリジナル。フレッシュエアをエンジンルームへ引込むことで熱害防止となるのはもちろん、約10kgの軽量化となり侮れない効果を生み出す。
後期型の固定ライトに対応したGTボンネットや、センターマウントのGTウイング、美しいミラーカバーもルートKSのアイテム。ボンネットにはラジエター冷却用のアウトレットダクトが設けられる。
エンジンは後期型のC32Bをベースにしたファインチューンスペックだ。吸気系にはサージタンクを加工してインフィニティQ45スロットルを投入。排気系はEXマニからエンドマフラーまでフルストレート構造のルートKSオリジナルで構築。こうして吸排気を煮詰めた上で、F-CON Vプロによる綿密な制御を組み合わせ、最高出力は300psに到達している。
足回りはクァンタムCRベースのオリジナル車高調(FR18kg/mm)でセットアップ。ブレーキはウィルウッドのシステムで強化し、LSDもOS技研のスーパーロックLSDで旋回性能に磨きをかけている。
新車購入から30年弱、数え切れぬほどの仕様変更を行いながら進化させてきたNSX。河合代表の深い愛情はもちろん、バランス重視で仕上げたことがよく伝わってくるスペックだ。
●取材協力:ルートKS 三重県鈴鹿市住吉3-29-17 TEL:059-392-6677
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ルートKS
https://www.route-ks.com