目次
GT3240タービンとGTS8550スーパーチャージャーの合体技
排気量の限界をカバーするためのツインチャージ化!
ランエボマイスターとして知られる“Gフォース”。代表の田澤さんはチャレンジ精神旺盛で、チューニングの手法は定番に拘らず多くのテストを重ねデータを蓄積している。また、得意とするステージも幅広く、ゼロヨン・最高速・サーキットアタックなど、あらゆるジャンルで多くのレコードを残してきた。
ここで紹介するランボエXは、そんな同社が4B11パワーチューニングの可能性を探りながら開発を進めたツインチャージ仕様だ。
心臓部の4B11は、2.3Lまで排気量を引き上げたフルチューンスペック。タービンにはHKSのGT3240を装備することでMAX600psオーバーを実現している。このパワーソースを武器に、筑波サーキットでは56秒784というタイムを叩き出し、最速ランエボXの称号(取材時)を手に入れたのだが、田澤さんはそこで満足しなかった。
2.3L仕様とはいえ、GT3240タービンだとどうしてもトルクバンドは高回転に寄ってしまう。そのネガ要素を埋めることができればさらなるタイムアップも狙えるはず。そこでタービンはそのままに、HKSのGTS8550スーパーチャージャーを追加装着して、中低速トルクを引き上げる策に打って出たのである。
「排気量を増やしたような低速トルク増大ができれば、ストリートユーザーに向けたチューニングの前進になりますし、より大きなタービンを効率的に回すことができれば、タイムアタックユーザーにフィードバックができる。全ては4B11チューニング探求のためですね」と田澤さん。
ラゲッジルーム左側に2基の燃料ポンプを内蔵したコレクタータンクをセット。同時にフューエルラインも引き直して、燃料供給不足によるトラブルを徹底的に抑え込んでいる。
一方のエクステリアは、バリス製のワイドボディキットでフル武装。ハイダウンフォースを生み出しつつ、295/35-18というタイムアタックシーンで鉄板のタイヤサイズを履きこなすことができる高機能エアロシステムだ。なお、内装撤去をはじめとする各部の軽量化で、車重は約1350kgまで絞り込んでいる。
タイヤには295サイズのSタイヤをセレクト。ブレーキへの負担を想定し、ブレーキにはエンドレスのモノブロックシステム(F6ポッド R4ポッド)を装備して高い制動力を手に入れている。ホイールは、サーキット仕様の定番でもあるボルクレーシングTE37RTだ。
室内はタイムアタック専用機らしいメイキングだ。メーターはレースパックのIQ3で管理。メーター機能はもちろん、各種データのロギングなど、タイムアタックマシンの必須装備になりつつあるものだ。ステアリングにはセンターデフのコントロールスイッチを移設し、コースコンディションに合わせて瞬時に切り替えできるようにしている。
4B11チューンの新境地を開拓すべく突き進むGフォースとランエボX、今後の動向を注目していきたい(OPTION2 2015年1月号より)
●取材協力:ガレージGフォース 神奈川県横浜市鶴見区獅子ヶ谷2-39-68 TEL:045-716-8013
【関連リンク】
Gフォース
http://www.gf-eng.co.jp