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スープラのパワートレインをAE85にフル移植!
軽量ボディに720馬力の強心臓はヤバすぎる・・・
元々はMA70スープラでドラッグを楽しんでいたオーナー。しかし、エアロトップのボディは徐々に雨漏りがひどくなり、ついにはマシンチェンジも止むなしという状況にまで追い込まれてしまう。そんな時にオーナーのところにやってきたのが、このAE85トレノだった。
「長年作り込んできたパワートレインだけに、ボディが死んだからって捨てるのはもったいないと思って。それでスープラの機関系を丸ごと移植したんです」。
搭載された7M-GTEUは、HKSの鍛造ピストンやOS技研のH断面コンロッドなどを組み込んで排気量を3.0Lから3.1Lに拡大。そこにTO4Rタービンを組み合わせて、最大ブースト圧1.7キロ時に720psを絞り出す仕様だ。
ミッションは、エンジンと共に前の愛機であるスープラから移植された強化AT。そのためパワーバンドを広めに取り、下から十分なトルク特性が発生するようにエンジンのセッティングを行なっている。
室内に張り巡らされたロールケージは、市販品をベースに加工を施したもの。その点数は18点式というから恐れ入る。「リヤを中心としたボディ補強がかなり効きましたね」とはオーナーの弁。軽量ボディとビッグパワーを活かすには、ボディの剛性感と足回りのバランスが重要とのことだ。
タイヤはフージャーのバイアスタイヤを装備。小径ホイールに高偏平タイヤの組み合わせが、ドラッグマシンらしい雰囲気を醸し出してる。
エンジンとミッションがノーマルよりも重くなった分は軽量化でカバー。バンパー、ボンネット、フェンダー、そしてリヤハッチなどをFRP製パーツに交換。ウインドウもフロントガラス以外はアクリルに変更されている。ただし、レース時は駆動輪にトラクションがかかりやすくするべく、テンパータイヤ収納スペースに30kgのウエイトを搭載しているそうだ。
現在のベストタイムは10秒6だが「恐怖を抑え込んで僕がどこまで踏み切れるかだと思います。踏み切れれば、10秒フラットはいけるはずですよ」とオーナー。
なるほど、このハチゴーでタイムを狙うには“暴れまわる車体を抑え込みながらアクセルを踏み抜く根性”が必要というわけだ。恐るべきジャジャ馬である。