「サバンナに愛を込めて・・・」オーナーの強い愛情がほとばしる極上の12A搭載SA22Cを捕獲!

あくまで12Aロータリーに拘り続ける!

オーナーズミーティングも定期開催中

1967年、コスモスポーツに搭載された10Aで量産ロータリーエンジンの道を切り拓いたマツダ。その後、排気量を拡大して12A、13A、13B…とラインナップを拡大していくが、そんなロータリーエンジンを載せた本格的スポーツカーが1978年発売のサバンナRX-7だ。

そのスタイリングは伝統的なロングノーズ&ショートデッキで、全高わずか1260mm。ロータリーエンジンだから実現できた低いノーズには外観の大きな特徴であるリトラクタブル式ヘッドライトが構え、国産スポーツカーにも新しい時代がやってきたことを感じさせてくれた。時は排ガス規制真っただ中。世間にも自動車業界にも漂っていた閉塞感を打破するだけのインパクトが、サバンナRX-7にはあったのだ。

取材車両は最初期型のGTで573cc×2ローターの12Aを搭載。燃料供給は2ステージ4バレルキャブが担当し、従来型に対して吸気ポート形状の見直しなどを行なうことでパワーが5ps向上。スペックは130ps/16.5kgmをうたった。

「昔、同級生が乗るSA前期型を見て、カッコ良いなと思ってました。購入したのは2009年。それまでFD3Sに乗っていたのですが、子供も大きくなったので趣味に振ったクルマがいいなと思いまして。ネットで売りに出されている前期型を見つけて、それに決めました」とオーナーの安田さんは言う。

SA22Cに乗り始めて十数年。その間にモスグリーンだったボディをNAロードスターの純正色ブリティッシュグリーンで全塗装し、リフレッシュのため足回りやシートも交換。

今年3月にはエンジンとミッションのオーバーホールを行なったことで、最高のコンディションに整えられた。それを維持するため、週イチペースでドライブを楽しみ、2ヵ月に一度は所属するロータリー車オーナーズクラブ、The Rotary Spirits2主催のミーティングに参加する。

サイレンサーに錆が見られるが、デュアルテールマフラーはなんとノーマル。アフター品に交換されていないのが奇跡だ。サイレンサー脇の細いパイプはサーマルリアクター用で、再燃焼した排気ガスが放出される。

ステアリングホイールはクラシカルなデザインが内装の雰囲気に似合うMOMOプロトティーポに交換。センターコンソールにはポータブルナビや1DINサイズのオーディオヘッドユニットが装着される。

タコメーター(電圧計を兼ねる)を中心としたメーター配列はFC/FD3Sに継承されるRX-7の伝統。右側にスピードメーター、左側に水温/燃料計と時計が並ぶ。

運転席はサポート部が大きく、ホールド性に優れるブリッドブリックスに交換。ステアリングホイール同様、これも当時の雰囲気を壊さない技ありのパーツチョイスと言える。

ホイールはボルクメッシュ。ディッシュカラーは本来ゴールドだが、リペアに合わせてブラックに塗り替えられた。タイヤは185/60R14サイズのアドバンネオバAD07を装着する。ちなみに、標準サイズは175/70R13だ。

安田さんいわく、「FDに比べるとパワーはありませんが、クルマが軽いので気になりません。車重1トンなので走りは軽快ですよ。ひとつ残念なのは乗り心地が悪いと言って家族が乗ってくれなくなったこと。FDの時は家族でよくドライブに行ったのですが、SAは私が一人で乗るだけです」とのこと。

今回取材を依頼したフジタエンジニアリング藤田代表によれば、チューニングのしやすさやパーツ供給などの側面から、SA22Cは13Bに載せ換えられた個体が多いとか。

「それでも、“できれば12AのままのSAを取材したい”って言われたんで探しましたよ」と藤田代表。コンディション抜群で適度にチューニングされ、何よりSA22Cに対するオーナーの気持ちが感じられた1台は、取材対象として最高だった。

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●取材協力:フジタエンジニアリング 大阪府堺市東区八下町1丁82-1 TEL:072-258-1313

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フジタエンジニアリング
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