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ストリート最強を目指した「ニュルスペック・ジャパン」ここにあり!!
極低フォルムのGC210にRB26改ニッパチを搭載!
全盛期のレースシーンにおけるGC10(ハコスカ)等の大活躍により、国民的なスポーティモデルとして知名度と人気を高めてきたスカイライン。そんな背景から、GC210は“スカイライン・ジャパン”というキャッチフレーズで颯爽と登場。1977年の秋のことだ。
デビューモデルは、排気ガス規制強化の影響からシングルカムのNA仕様しか設定されていなかったため人気が高まらず、新エンジンでツインカム攻勢をかけるトヨタから“名ばかりのGTは道を開けろ”と、皮肉なキャッチコピーで攻め立てられる始末。
しかし、1985年のマイナーチェンジで状況は一変。セドリック/グロリア、ブルーバードに続いて日産で3番目のターボモデルを設定し、起死回生が計られたのだ。
そんなGC210をベースに、ストリート最強の“悪ガキ”スペックを目指したのが、この前期モデルの4ドア丸目4灯に拘るジャパンだ。
BNR34純正のミレニアムジェイドでオールペイントされたエクステリアは、ボンネットやフェンダーにシャープなデザインのダクトを設けて個性を演出。リヤ周りでは、当時一部で流行したクリスタルテールが悪さに磨きをかける。
一方のエンジンは、L型を降ろして2.8L+GT-RSツインターボ仕様のRB26DETTに換装。最高出力は600psに達しているというから恐れ入る。ミレニアムジェイドで彩られたヘッドカバーが誇らしげだ。
エンジンマネージメントにはHKSのF-CON Vプロを採用し、燃調や点火時期などを綿密にコントロールしている。
ストラットタワー周辺のスポット溶接増しを見ても分かるように、ボディ各部はエンジンの大幅な出力向上にともなって補強が施されている。
足回りは、通常の車高調にスキッパーのエア・マチック(車高調整シリンダー)を組み合わせて、地を這うような極低車高を構築している。ホイールは定番のSSRフォーミュラメッシュ。フロントブレーキは当時スポーツオプションでもあったMK63キャリパーが与えられている。
オートメーターのモンスタースポーツコンプ(タコメーター)が存在感を主張するインテリア。ストリート仕様のため、エアコンやオーディオ、ETCなどの快適装備はフルで搭載されている。シートはレッドのレカロSR-3、ステアリングは往年のダットさんコンペだ。
その気になって踏み切れば、フルチューンGT-Rを撃墜できるほどのポテンシャルを有した極悪ジャパン。オーナーの熱い走り屋魂には感服するばかりだ。