「パワーFCは今でも一線級の制御ツールだ！」R35純正パーツとの組み合わせで第2世代GT-Rはもっと楽しめる！

公開日 2024/09/10
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著者 weboption

今こそR35パーツ流用＆パワーFC制御

基本設計が新しい純正部品と緻密な制御で扱いやすさを向上！

チューニングするほどにポテンシャルが高まり、ストリートはもちろん、サーキットやドラッグなど多彩なステージを席巻してきたRB26DETT。そんな時代背景もあって、街を走る第二世代GT-Rはノーマルを探す方が難しく、なんらかのチューニングが施された個体ばかりとなっている。

「第二世代の現役当時はピークパワー追求とか振り切った仕様が多く、扱いやすさと速さはトレードオフでした。最近では技術やパーツの進化で、オールラウンダーな1台に仕上げられるようになりましたが、当時仕様のチューニングのままで調子が悪いと感じられているケースが非常に多い。長く乗り続けるためには、経年劣化のリフレッシュだけでなく、チューニングのアップデートも必要ですよ」とはフェニックスパワー横山代表。

老舗チューナーが勧めるチューニングのアップデートと聞けば、エンジンやタービンの仕様変更といった大掛かりなメニューを思い浮かべるに違いない。しかし、フェニックスパワーが提案するのは、リーズナブルに基本性能が引き上げられるR35GT-R純正パーツとパワーFCを使ったアップデートになる。

さて、基本設計が新しいR35純正パーツから第二世代GT-Rのアップデートに投入されるのは、エアフロ、インジェクター、イグニッションコイルの3点だ。

まずはエアフロだが、第二世代GT-Rの純正エアフロは測定容量が低く、それだけにDジェトロ化でエアフロレスとされることが多かった。ただし、吸入空気量を高精度に測定してワイドレンジなマネージメントを図るなら、エアフロメーターを使ったLジェトロが断然優位。カートリッジ式のR35純正エアフロなら、サクション径の拡大で900psにも対応可能な計測容量を誇っているので、扱いやすさと頼もしさをバランスするアップデートの要として投入している。

ツインターボ仕様はもちろん、シングルターボ仕様でもR35純正エアフロを使ってのLジェトロ制御は可能。なお、Z32純正エアフロよりもハーフ領域の吹き返しに強いが測定影響が皆無とはならないため、ブローオフバルブは装着しておきたい。

続いて、12ホールで優れた霧化効率に仕上げられている部分がポイントとなるインジェクター。霧化効率の高さは低中速領域のピックアップに直結するので、当時モノの大容量インジェクターから置き換えた場合でもアップデート効果は確実に体感できるだろう。吐出量は550cc相当で500psがターゲットとなるが、モアパワーを狙っていくならR35用の900cc社外インジェクターで増量すればOKだ。

そして、吸入空気量測定、燃料噴射のアップデートを済ませた状態に投入するのは、安定した点火性能を引き出すイグニッションコイル。パワトラ内蔵タイプとなっているため、BNR32／BCNR33オーナーを悩ませていたパワトラのトラブル不安も流用アップデートで解消できる。

純正流用でアップデートを終えたRB26のリセッティングに使用するのは、安定した性能でロングセラーを誇るパワーFCだ。現在は、コマンダー別売りで14万800円にて販売されている。

R35純正パーツでアップデートしたRB26の最適化がリーズナブルに図れるだけでなく、純正ECUと入れ換えるフルコン制御でコンデンサーパンクなどのトラブル不安も払拭できるのがポイント。ライトチューンからフルチューンまで広くカバーする頭脳は、将来的なステップアップチューンに取り組む際にも頼りになる。

ちなみに、イグニッションコイルのみならリセッティング不要だが、RB26は通電角度、VR38はデュエル角度と基本特性が異なる。そのため、フェニックスパワーはパワーFCに角度換算した値を入力し、本来の性能が発揮できるセットアップへ導いていく。

取材車両は、高精度に組み上げられたニスモのコンプリートエンジンを搭載し、レスポンスとパワー兼ね備えたGTIII-SSタービンをマッチングして、ブースト圧1.5キロ時に512.94ps＆63.76kgmを発揮。R35純正流用のアップデートや、IN＆EX256度のカム角チョイスにより、Vカムを使わずともオールマイティな走りが楽しめるエンジン特性に仕上げられている。

R35純正パーツとパワーFCを使ってのアップデート＆リセッティングは、作業工賃やセッティングまで含めて約55万円となる。性能の向上とともにトラブル予防まで果たせることを考えれば、積極的に検討したいメニューと言えるだろう。

今回のアップデートで投入されたアイテムは、いずれも経年劣化でトラブル報告が増えているものばかり。トラブル対処や予防で価格高騰の進む純正パーツを使うのではなく、基本設計が新しいR35純正パーツで性能の底上げを図りながら、当時仕様のチューニングをアップデートするのが第二世代GT-Rの新定番チューニングとなっていくに違いない。

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