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4ドア改2ドアセダンはこうして仕上げる!
Bピラー位置変更など大規模なボディ加工の連続
旧車の中でも、販売台数が少ないモデルやグレードとなると、プライスやコンディションなどを含めて“買い”と判断できる可能性は限りなくゼロに近づいてしまう。
現役当時から人気モデルで、現存数が比較的多い510系ブルーバードであってもそれは同様。国内仕様の2ドアセダンは極端に数が少なく、見つけることすら困難な状況。「それなら4ドアセダンをベースに、完璧な2ドアセダンを製作しよう」と実行したのが奈良県の“ビンテージガレージ・フリーク”だ。
ベースは1970年式の4ドアセダン。車両の基本寸法は同じなので、別途手に入れた2ドアモデルのドアを移植すれば良い…と言葉にしてしまえば簡単だが、実際は大加工の連続となった。
まず、クーペのドアに合わせてBピラーを後方にスライドして固定。内張りが残る部分が4ドアセダン純正のピラー位置、オフセット量はかなり大きい。
4ドアセダンと2ドアクーペではドアサッシの寸法も大きく異なるため、4ドアセダン用サッシをベースに延長加工を行なう。内側が4ドアセダン用で外側が2ドアクーペ用、どちらもまだ加工前。
Bピラーと接するドア後端の形状もクーペとセダンでは異なる。今回はセダン用のピラーをそのまま使用するため、クーペドアにセダン用のドア後端部を移植する手術を敢行。こうした加工は全て現物合わせだ。
Bピラーが後方にオフセットされた分、リヤドアも短縮。約10cmほど切り詰めてボディとピラーに溶接固定、はめ殺しのパネルとするのだ。
リヤドアを固定し、ドアハンドルのホールを埋めれば2ドアセダン化の形は完成。同じ工程を反対側でも行ない、鈑金塗装を経たところでボディワークは完了となる。
搭載するエンジンは、LZのカムカバーを加工搭載したL20Bベースのフルチューンユニット。これはシングルカムのL20Bをベースにピストンとコンロッドを強化しつつ、KA24ヘッドを組み合わせてツインカム化したNAメカチューン仕様だ。ソレックス50φキャブや等長EXマニなど、構成パーツにも拘りを見せる。
シートは時代考証に合わせたダットサン仕様のローバックタイプをセット。ステアリングも定番のダットサンコンペだ。メーターパネルは前期型SSS用をセットしたが、ボルトオンで流用できない部分もあり、細部まで丁寧に加工を施し仕上げている最中だ。
足元を飾るホイールは、RSワタナベのゴッディレプリカ(F7.0J R8.0J)。また、サスペンションはDR30のストラットを流用することで、フロントをディスクブレーキ化。APレーシングのユニットでパフォーマンスアップを図っている。
ビンテージガレージ・フリークが常に目指すのはセオリーや定番に捕らわれない、唯一無二の旧車メイク。そのコンセプトを体現するスーパーカスタムが、また1台この世に生まれようとしているのだ。
●取材協力:ビンテージガレージ・フリーク 奈良県大和郡山市筒井町890-1 TEL:0743-25-5165
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