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匠が手がける高耐久の13B-REW改ニュルスペックエンジン!
気になったらすぐに相談! それがエンジン長持ちの秘訣
ここで紹介するのは、関西を代表する老舗ロータリーショップ“フジタエンジニアリング”がメンテ&チューニングを担当するユーザーカーだ。とにかく驚かされるのが、その走行距離。なんとタクシー顔負けの50万キロオーバーに達しているのである。
オーナーはスポーツカーに乗りたくて平成10年式を新車で購入。以後、フジタエンジニアリングを主治医にロータリーチューニングライフを満喫、現在は同社のコンプリートエンジンである“ニュルスペックプラス”にTO4Sタービンを組み合わせた420ps仕様にまで進化している。
「実は、これまで何回かエンジンを載せ換えているのですが、現在のニュルスペックプラスに換装してから約22万キロほどノントラブルなんですよ」と嬉しそうに語るオーナー。しかも、街乗りのみならず、サーキットなどでもガンガン使っているというから恐れ入る。
その代わりメンテナスには気を使っていて、3000キロ走行毎のオイル交換を欠かさない他、FEEDミクスチュアオイルを定期的に注入して、グッドコンディションをキープしているそうだ。
ちなみに、ミクスチュアオイルとは、フジタエンジニアリングが開発したガソリン満タンに対して1本入れる添加剤だ。エンジンの耐久性アップやトルク向上の効果が期待できる。黒ラベルが通常版(1100円)で、赤ラベルはオクタン価や洗浄性をアップしたレーシングスペック(1518円)だ。
また、ニュルスペックエンジンは、オリジナルの3ピースアペックスシールを使用した上で、各部に加工を施すなど耐久性とパワーを両立するフジタ自慢のユニット。ローターにはFC3S前期の8.5低圧縮タイプを使用し、耐ブースト特性を高めている点も見逃せない。
「ニュルスペックプラスは、パワーだけじゃなく耐久性にも大きく重点を置いているエンジンですし、オーナーさんは気になることがあったらすぐに相談に来てくれるのが、ロングライフに繋がっていると思います。ウチではお客さんごとにカルテを作っていて、何かトラブルがあっても、過去の履歴がすぐにわかるのでムダなく適切なメンテナンスを提案させて頂けるようになっているんですよ」とは、フジタエンジニアリング藤田代表。
そんな藤田さんの言葉通り、このオーナー車両のメンテナンス&チューニング記録は、新車時から現在に至るまで全てカルテとして残されていた。だから消耗品の交換時期も掴みやすいし、先手を打ったトラブル対策ができる。
マフラーはメイン80φ、テール100φのソニックSR。エンジン制御はパワーFCにて行う。こうやって仕様を見てみると、特別なことは一切ないことがよく分かる。FEEDタービン交換仕様のスタンダードパッケージだ。
アルミラジエターやリザーバータンクもFEEDオリジナル。冷却対策をしっかり行うのも、耐久性を引き上げるため必須項目だ。シリコンホースも定期的に点検するなど、壊さないためのメンテナンスにも抜かりはない。
この他にもブーストコントローラーの配管は熱の影響が少ない場所を通したり、燃料の片寄り対策を行うなど、トラブルの原因になりそうな箇所はキッチリと対策済みだ。そうした細かな積み重ねで、50万kmオーバーを達成したこのFD3S。フジタエンジニアリングが目指す、耐久性に優れたストリート仕様のまさに好例と言える1台だろう。
●取材協力:フジタエンジニアリング TEL:072-258-1313
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