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耐久性重視の13B改サイドポート+TD07-25Gターボ仕様!
サーキットスぺックからストリートスペックへとアレンジ
ロータリーファン、チューニングフリークであれば、“アオレンジャー”の名称で親しまれた“レッグモータースポーツ”のFD3Sを記憶している人も多いはず。かつてデモカーとしてタイムアタックシーンで活躍し、その過程で多くのオリジナルパーツも生み出した。その後、「アタックもできるストリートカー」として一部仕様を変更し、現在は一般ユーザーが所有している。
当時は軽量化のために取り払われていた、エアコン&ヒーターユニットやカーナビといった快適装備を再び搭載。パワーソースはタイムアタック号として活躍した頃のスペックを継承する一方で、タイヤやフットワークなどはストリートスペックにアレンジが施された。
パワーユニットは、サイドポート拡大仕様の13B-REWにTD07-25Gタービンを組み合わせた耐久性重視の430ps(最大ブースト1.0キロ)。燃料や点火時期のコントロールはパワーFCが担う。
ラジエターはRE雨宮のサイドタンクターンフロー式を導入。インタークーラーはむやみにサイズアップを図るのではなく、軽量かつ高性能でありながら、出力に見合ったジャストサイズとしてBNR34純正コアを選び、前置きにしている。
ボディはフルスポット増しを施した上に、ダッシュ貫通式のセーフティ21製ロールケージを組み込む。各ピラーにガゼットプレートを介して溶接固定され、ハードに攻め込んでもヨレやタワミを感じさせない剛強ボディで仕上げられている。
かつては軽量化を徹底して1070kgまでウエイトダウンが図られていたが、現在はストリートユースに欠かせない快適装備をフルに備え、さらにアンダーコートやカーペットも復活。ダッシュボードやセンターコンソールがアルカンターラで仕上げられているため、上質な雰囲気すら漂う。それでも重量増は最小限で、実測1120kgを実現している。
タイヤは、ストリートコンセプトへの転換に合わせてSタイヤからハイグリップラジアルのイーグルRSスポーツ(FR265/35R18)に入れ換え。ホイールはリムの深さに個性が光る、ウエッズスポーツのRN-05M(FR10.0J×18+36)を選択する。
デモカー時代は内装を簡素化していたため問題はなかったが、純正トリムを装着するとロールケージと当たってしまう。そこで、サイドバーとの干渉を避けることができる専用ドアトリムをワンオフで製作。現在は試作段階だが、カーボンで仕上げ、スピーカーも装備する予定だ。
足回りは、別タンクを備えたクァンタムの車高調を軸に構築。ストリートユースも意識したレーシングスペックだ。Sタイヤからストリートラジアルの変更に伴い、バネレートはフロント16kg/mm、リヤ18kg/mmに変更。また、オリジナルアームとピロブッシュの導入によってフルピロ化が図られている。
ブレーキは、フロントがAP4ポットキャリパー+330mmローターの組み合わせ。リヤは純正17インチキャリパーに324mmの大径ローターをセット。さらにパッドチョイスで調整を行い、前後のブレーキバランスを適正化している。
「コンマ1秒を削るために作り上げ、思い入れのある“アオレンジャー”ですが、新オーナーにこの先も長く乗り続けてもらうために、ユーティリティを中心にアレンジを変更し、ストリート仕様へと生まれ変えさせました。とくに車内は快適で上質な仕上がりになっていますよ」とはレッグ倉迫さん。
ストリートスペックとして新しい“車生”を送る元デモカー。きっとクルマも喜んでいることだろう。
●取材協力:レッグモータースポーツ 広島県広島市安芸区船越南3-18-13 TEL:082-823-5888記事が選択されていません
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