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VTECのF20C搭載で納得のライトウエイトスポーツを創出!
試行錯誤の末に完成した魔改造ハチロク
4A-Gベースで200ps以上の高出力を狙うとなると想像以上に費用が掛かる上、1600㏄のままではピーキーで扱いにくいスペックになってしまいがちだ。
ならば、と斜め上の方法でAE86のパフォーマンスアップを狙ったのが、北海道の名門チューナー“ホットスタッフ”。S2000(前期型)に搭載されるF20Cエンジンのスワップを敢行したのだ。
当初、同じトヨタの3S-GEエンジンもテストしたそうだが、実用性重視の特性でAE86の性格には似合わないと判断。その点、高回転まで問答無用で吹け上がるVTECは相性が良く、チューニングせずとも十分に楽しめると踏んだのだ。
とはいえ、このエンジンスワップは困難を極めた。エンジンマウントはもちろん、搭載位置やミッションの大きさもハチロクのT50型とはまるで異なるため、バルクヘッドやフロアトンネルを大加工。なお、フロアトンネルは一度切開した後、新たにアルミ板で製作しているが、シフトポジションは極めて自然に操作できる位置に調整済みだ。
F20Cはエンジンハイトが高いため、エンジンメンバーはスライス加工を実施。合わせてボンネットも逃げ加工を行っている。
バルクヘッド加工などで純正ヒーターの設置スペースが無くなってしまったため、リヤシート側までウォーターラインを伸ばして、軽自動車用のコンパクトなヒーターを装着。北海道ではヒーターは必要不可欠なのである。
エンジンのマネージメントはS2000純正ECUが担当し、メインメーターもS2000のデジタル式へとコンバート。このメーターがAE86にモダンなテイストを与えている。ステアリングコラムに設置された追加メーターはアペックスのレブ/スピードメーターだ。
ノーマルの4A-Gと較べると100ps以上アップするため、ブレーキチューンは必須。フロントにはFC3Sのキャリパーを、リヤにはS13のローターをそれぞれ流用してストッピングパワーを引き上げている。
公認車検も取得して、堂々と乗れるストリートスペック。VTECエンジンの搭載によって、ハチロクは4A-Gベースの定番チューン仕様とはまるで異なる面白さを持ったアスリートへと生まれ変わるのだ。
●取材協力:ホットスタッフ 北海道茅部郡森町赤井川187-37 TEL:01374-7-1155