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心臓部は600馬力オーバーの2JZ-GTE改TO4Zタービン仕様
的確なマネージメントでリニアな加速フィールを作り出す
創業42年。R32GT-RやJZA80スープラといった名車が登場する遥か以前から、九州におけるチューニングシーンの歴史を支えてきた“HKS九州サービス”。パワフルでありながら扱い易く、しかも壊れないという信頼性の高いチューニング手法は、世代を超えたユーザー達からの絶大な支持を得ている。
ここで紹介する1台は、JZX100チェイサーに2JZ-GTEを換装したストリートチューンド。エンジン本体はJZS147アリスト用のため、VVT-iが装着されていないタイプだ。
本体はノーマルながら、タービンはビッグシングルのTO4Zに変更。燃料系統は600ccインジェクターやGT-R用ポンプなどで強化。設定ブースト圧は1.5キロで、最高出力は実測で600psをマークしているという。その他、エンジンマネージメントはHKSのF-CON Vプロで、燃調&点火時期、レブリミットなど対策も万全だ。
経年劣化を一新させるヘッドカバーの結晶塗装がエンジンルームを盛り上げる。チューニング面だけでなく、こうしたカスタマイズの相談もお任せなのだ。
エキゾースト環境には、太く響き渡るような2JZサウンドを強調するHKSハイパーマフラーをセット。上流部もGT-R用を加工流用したスポーツキャタを備え、完全合法の範囲でパワーチューンが進められている。
エクステリアは、HKS九州サービスオリジナルのエアロバンパーを装備。前置きインタークーラーを綺麗に収める大型開口部やオイルクーラーの配置に最適な両サイドのダクトなど、冷却性能と美観を両立した作品だ。なお、取材車両は両サイドのダクト内にオイルクーラーを一基ずつ装着。バンパー側面には放熱用のエアアウトレットも備わる。
実際に試乗させてもらったところ、パフォーマンスに関しては「最高!」の一言。取材当日は小雨がパラつくウエット状態だったため、アクセルの加減には遠慮したものの、スピードメーターの針は一瞬で跳ね上がる。もともと排気量に余裕があるだけに、そのフィーリングも分厚いトルクでグイッと押し出すような迫力が感じられた。過給の立ち上がりもリニアで、低中速ではターボの存在を意識させないほどであった。
「JZエンジン搭載車は、生産中止から随分年月が立ちますが、チューニングやオーバーホール、載せ換えなどの問い合わせはコンスタントに寄せられています。特に換装はミッションがポン付けでいけるので、コスト的にも手頃だし見た目の違和感もありません。日産のRBと並ぶ最後のイジれる直6ユニットとしての潜在的なパフォーマンスは、今もなお一級品だと思いますよ」と語るのは代表の竜円さん。
ちなみに、HKS九州サービスでは400ps前後であれば標準1JZのオーバーホール+タービン交換でも達成可能(それでも十分過ぎるほど速い)。腰下を2JZ化させる通称1.5Jも、定番ながらオールラウンド性に優れた手法としてお勧めとのこと。
街乗りメイン、ドリフト、ドラッグなど、まずは自分の使用スタイルを見極め、ベストなセットアップを相談してみてはいかがだろう。
●取材協力:HKS九州サービス 福岡県北九州市小倉南区蜷田若園3-12-15 TEL:093-931-6910
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HKS九州サービス
http://www.hks-kyusyu.co.jp