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暴走族スタイルでも中身は最新スペック!
安心してどこにでも出かけられる最新の旧車チューンを実践
今回紹介するのは、斬新な旧車メイキングで注目を集める“バンザイレーシング”本橋代表の愛車だ。
20代の頃から所有しているというこのZ。購入当初は一般的なメカ&キャブチューンで乗っていたが、チューニングシーンのトレンドに合わせ、最先端のメカニズムを盛り込んだ進化を続けてきた。現在のコンセプトは、『アメリカの日本車好きがセンス良く暴走族スタイルをアレンジしたら!?』というもの。
RSWのパーツを使って排気量をアップしたL28改は、注目のJMC/PAMSヘッドなど使った最新スペックの3.2L仕様。NAメカチューンでありながら400psに迫る出力を発揮。スタイリング的にも美しいスロットルも注目のアイテムで、オリジナルの6連スロットルはフライバイワイヤーの電子制御となっている。LINKのフューリーXによる制御も相まって、サウンド・レスポンスともまさに唯一無二のフィーリングを手に入れた。
マフラーはワンオフの跳ね上げスラッシュカットデュアルタイプ。バルブ付きで、静音モードにすればメカノイズと吸気音ばかりが聞こえてくるほど排気音がカットされる。ストレートモードにすればフルチューンL型らしいサウンドを奏でてくれる。
フットワークはオリジナルのBREエアーサスペンションでセットアップ。S30Zのウイークポイントと言えるリヤサスペンション周りは、エスコートのサブフレームで強化済みだ。出力増大に合わせ、ドライブシャフトもアメリカ製のカスタムメイド品に変更する。
気になるワイド鉄風ホイールは実はアルミ製、オリジナルのBRE T-2。タイヤもオリジナルで懐かしのレーシングレインのトレッドパターンを再現したバンザイタイヤ。サイズは230/525-14、構造は現代のラジアルタイヤなので安心して履くことが可能。
溶接留めのロールケージを始め、レーシーに仕立てられたインテリア。シートはブリットのヒストリクス、ドアパネルはアルミ製のワンオフだが、ビードローラーを使い立体的にアーガイル柄を作り上げドレッシーにまとめ上げる。
ペダルはチルトンのレース用オルガンタイプ。ステアリングコラムにはパワーアシストモーターがセットされている。
ステアリングコラム上にはAimのデジタルロガーモニターをセットし、電装系のコントロールにはCARTEKのシステムを採用。同社のパワーディストリビューションパネルがコントローラーとなるが、ウインカーやワイパーは操作性が劣るため、純正のスイッチを結びつけてコントロールしている。
ミッションは純正搭載のFS5W71Bを使用しているが、中身のギヤを組み替えることでクロスミッション化が施されている。
エクステリアメイクも独特。フロントはオリジナルのリップスポイラーに繋がるラインを構築し、前後のオーバーフェンダーはサイズ感にも拘ってリメイクした自信作とのこと。パテ埋めされているが、リヤの3分割スポイラーもバンザイレーシングオリジナルの形状だ。
また、フロントには違和感のないバンパーレス化を実現するべく左右にバンパー跡をスムージングするパネルも用意。ちなみに、ゼッケンとして張られた58は見た目のアクセントでもあるが、実は“硬派”のゴロ合わせ。仕上げには遊び心も忘れていない。
「若い頃から旧車を乗り継いできましたが、このサンマルだけは絶対手放さずに乗り続けると決め、仕様変更を重ねて維持してきました。当初は一般的なメカチューンでしたが、現在は完全にリファイン。最新のスペックを盛り込んだものに仕上がっています。オリジナルのボディキットだけでなく、スロットルなどもオリジナルのキットにしての販売を予定しています」とは本橋代表。
まさに、大人も乗れるヤンチャな旧車チューンド。現代のレストモッドスタイルを象徴する1台といって、間違いのない、硬派で魅惑的なフェアレディZと言えるだろう。
●取材協力:MOTO JAPAN(バンザイスポーツ) TEL:03-5935-9544
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