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レジェンドマシンでは堪能できない“味”が癖になる!?
各メディアが取り上げることの多い70~80年代辺りのレジェンド旧車は、確かにどこへ乗って行っても注目の的になる。しかし一方、その圧倒的な強者感に少々食傷気味になっているのも正直なところだ。そこで今回は、敢えて王道路線から少々外れたクルマをチョイスすることを提唱しよう。これだったら、旧車好きのうるさ型も納得せざるを得ない。そんな洒落たクルマを紹介していく!
スカイラインバン 1500ツーリングデラックス [VC10]
ハコスカの愛称で呼ばれる3代目のスカイライン。GT-Rともなれば、今やウン千万円といったプライスを掲げる名車中の名車だ。しかし、そんな名車はコレクターの皆様に任せておいて、ここで注目したいのは、同じ顔を持つスカイラインの『バン』だ。搭載されるG15エンジンは1.5L 4気筒OHCで88ps。翌年追加された1.8Lのデラックスは、G18型(100ps)を搭載。1971年のM/Cで、G15/G18ともに95ps&105psへとパワーアップを果たした。この手のクルマで全開走行することは皆無だろうから、100ps程度でも問題ナシ。GT-Rと同等のレア度を誇るバンは、その意外性も手伝って注目度は激高だ!
サバンナスポーツワゴン [S102W(前期)/S124W(後期)]
サバンナ最大のトピックは、1971年12月に開催された富士ツーリストトロフィー500マイルで、スカイラインGT-R(KPGC10)50連勝を阻止した大金星が挙げられる。ちなみに『RX-3』という呼称は、当時のマイナーツーリングカーレースにおいて『サバンナRX-3』としてエントリーした経緯があり、サバンナの輸出名であった『RX-3』としても広く呼ばれるようになった。この「スポーツワゴン」はバンではなく、ステーションワゴンという仕立てなので、大人5人+多くの荷物を積んでの快適なドライブが可能となっている。ただ、タマ数が少なく価格も高騰しているので、気合がないと購入できない代物だ。
スカイラインTi-EL [C210]
スカイライン5代目の愛称は『ジャパン』。そのグレードは、2.0LのL型6気筒エンジンを搭載した「GT」と、4気筒エンジン搭載の「TI」に分けられた。TIはL18/L16型、Z20E/Z18E/Z16S等のエンジンを搭載。全長が短い4気筒ということで、GTと比べノーズが200mm短縮もされた。このスタイルを是か非かするかは好みによるところだが、フロントが軽くなった分、シャープに走れるというメリットもあった。そして、丸テールではなく角テールを採用したのが大きな相違点。当時はGTの廉価版的な扱いを受けていたが、そんな意匠の違いは、今となっては逆に魅力的なポイントになっているのだ。
カローラレビン LIME [AE85]
全世界にその名を知らしめるハチロク(AE86)。販売台数はレビン、トレノ合わせて10万台超という人気車種ではあったが、それも40年前のお話。AE86は改造され、荒く乗られていたものばかりだったが、平成初期頃までは30万円程度で中古が買えていたので、全損を恐れずに酷使が続いた。やがて安価なAE86が無くなると、AE85をドナーにして“箱替え”といった流れに。だが、そのAE85も今や枯渇寸前だ。そんな中、女性向けに拵えられた「レビンLIME(ライム)」や、「トレノLISE(リセ)」は、元の販売数も少なく激レア。もしコレを見つけたら、弄らずにフルノーマルで嗜むことを忘れないでほしい。
バラードスポーツCR-X [AE]
CR-Xの初代となる「バラードスポーツCR-X」。そのトップグレードは、1984年11月に追加されたZC型エンジン搭載の「Si」。1.6Lの4気筒DOHC、135psを誇るパワーで峠での走りは最強。さらに兄弟車であるシビックより180mmも短いホイールベースを武器に、ジムカーナ競技では敵ナシといったポテンシャルだ。他に110psの「1.5」、80psの「1.3」がラインアップ。ここでオススメしたいのが「1.3」だ。何せ、車重860kgのSiに対し、760kgという軽量ボディ。今ドキの速いKカーよりも軽く、パワーはそれ以上。こりゃ玄人好みするはずだ。
スープラS [GA70]
スープラと言えばトヨタが誇るフラッグシップスポーツ。そんなA70スープラは、グループAのホモロゲマシンとした『3.0GTターボA(270ps)』や、翌年には『2.5GTツインターボ(280ps)』など、走り屋に人気のグレードが揃う。そこにきて、グレード名『S』という最下位グレードの諸元が熱いことに気付かされる。エンジンは2.0LのNAで、しかもOHC。たったの105psで何をしろと!? だが、そこがイイ。スポーツカーには当然、コンパクトカーにも置き去りにされる『S』にとって、勝負ごとは鼻っから放棄。終始「のんびりドライブ」で決め込めば、優雅さこの上ナシだ。
シルビアJ’S [S13/PS13]
時は昭和後期。各地のサーキットではワンメイクレースの最盛期。AE86の次に人気となったのが、S13/PS13によるシルビアレースだ。そこに参戦するベース車は、NAの『シルビアJ’s』で、豪華装備などは一切無し。エアコンはオプションだしミラーも手動で倒すタイプ。カセットデッキもなく、AM/FMラジオだけ。そしてパワーウインドウもなく、アラフィフ以上の世代が涙する『くるくるハンドル』に甘酸っぱい青春時代が呼び起こされる。お勧めのイジり方は、車高調とスポーツパッド、ロールケージを装着して2名乗車に。そしてフルバケットにバックスキンのステアリングでキメるべし!