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唐突感の一切無いパワー特性がポイント
誰もが安定して速さを引き出せるブーストアップ仕様!
圧倒的なポテンシャルを誇るR35GT-R。エンジン強化パーツが出揃ってきた昨今では、800psオーバーの領域に突入しているユーザーカーも少なくない。そんな中、あえて純正タービンでのポテンシャルアップに取り組んでいるのが“エンドレス”だ。
一般的にブーストアップと言えばライトチューンのイメージが強いが、そこは歴代GT-Rを多彩に手掛けてきた老舗チューナー。
ノーマルタービンの性能を余さず引き出せるように、エンジン本体はノーマルのままサージタンクやインジェクターまで含めて各部の効率アップを追求した620ps仕様を創出。同時に、スポーツ走行時の油温上昇を防止する追加オイルクーラーといった周辺環境にもキッチリと手を入れている。
ハイチューン用パーツとして認識されるサージタンクだが、各シリンダーへのスムーズな吸気や容量アップはブーストアップでも低中速トルク向上などの恩恵へ結びつく。純正タービン仕様でも有効なパーツなのである。
サクション抵抗を極限まで抑制したパイピングレイアウト、ハイブーストでもリリーフせず対応するブローオフバルブはブーストアップの効果を引き出す上で欠かせないアイテムだ。どちらもトラスト製を導入している。
レインフォースをカットした上でトップシークレットの前期用ダクトをインストールし、インタークーラー上部にオイルクーラーを追加。98度開弁となるオイルサーモまでキャンセルすることで、夏のスポーツ走行でもMAX90度に抑制することが可能だ。
ブーストアップでも600psオーバーに達するR35は駆動系チューンも必須項目。クラッチディスクはノーマルの6枚から7枚へと強化し、ミッションは油圧アップなどのアッパープログラムを施している。ハンドリング特性を自在に操れるETSコントローラーも導入済み。
カンサイサービスのフロントフェンダーを投入することで前後285サイズのインストールを実現。その上で、タイヤには圧倒的なドライグリップ性能を誇るアドバンA08Bをセレクト。ホイールには、足元に力強さを与えるアドバンレーシングGTを組み合わせる。
足回りは、純正のダンプトロニック機構をキープしたまま、好みのフットワークセッティングを可能とするアラゴスタのタイプSA PnPでセットアップ。ストリートからサーキットまで幅広く対応する高性能車高調だ。
インテリアは、RH9ステアリングとレーシングハーネスを追加する以外はオリジナルをキープ。エンジンやフットワーク同様に、やり過ぎず、要点を押さえた玄人好みなチューニング内容でまとめているのだ。
このチューンドの速さは相当なもので、OPTION誌のテストでは静止状態から3秒42で100キロに達し、セントラルサーキットを1分25秒55(ドライバー:井入宏之選手)でラップする戦闘力を披露して見せたのである。
R35GT-Rの有する資質の高さ全域で底上げするトップチューナーの調律術。そこから紡ぎ出される最強ブーストアップ仕様、伊達じゃない。
●取材協力:エンドレス 神戸市西区岩岡町古郷字南場960-8 TEL:078-969-2555
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