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1万回転オーバーも許容する197馬力のハイレスポンス4A-Gを搭載!
インジェクターのセットポイントにも秘訣あり
このホワイト×グリーンで美しく彩られたAE86は、ハチロクチューンのオーソリティとしても知られる、“テクノプロスピリッツ”が煮詰めたサーキットスペックだ。
エンジンはAE92後期ベースで、腰下に戸田レーシングの82φピストンおよびJUNのコンロッドとフルカウンタークランクをセット。ヘッドは戸田レーシングのハイカム(IN304度11mmリフト EX310度10.7mmリフト)の投入を軸にくまなく手を入れ、1万rpmオーバーでも音を上げない強靭なパワーユニットを創出した。
そして吸気には、5バルブ4A-G用の4連スロットルをインストール。一般的に5バルブ用の4連スロットルを流用する場合、インジェクターは純正位置にセットすることが多いが、このハチロクはフューエルレイアウトを大きく変え、インマニ下側からスロットル手前にインジェクターをセットしている。これは、燃料噴射ポイントから燃焼室までの距離を確保して霧化率を高めるための策だ。
制御は4A-Gチューンの定番とも言えるフリーダムのフルコン。点火時期とともに綿密なエンジンマネージメントを行うことで、フルチューンユニットとは思えないほどスムーズなフィーリングを実現している。
一方、エクステリアはターボ車なみの開口部を持つフロントバンパーを含めて、エアロパーツはほぼスピリッツオリジナル。特にフロントバンパーはリップ部が大きくせり出し、フロントに強いダウンフォースがかかる設計だ。開口部内にはオイルクーラーや導風板が仕込まれ、走行風を効率良く冷却などに使う。ボンネットには吸気用ダクトも確認できる。
オリジナルのサスキットのリヤダンパーは別タンク式の大容量スペック。等長リンク化されているためホーシングの動きもしなやかだ。スプリングレートはフロント10kg/mm、リヤ7kg/mmの設定で、これはダンロップ製スリックタイヤ(225-585-15)の使用を前提としたセッティングとなる。
ハチロクチューンを知り尽くしたテクノプロスピリッツらしい質実剛健のメイキング。サーキットにおける速さは2.0Lターボ勢と同等以上、筑波コース2000を1分フラットで連続周回するほどなのだから恐れ入る。
●取材協力:テクノプロ スピリッツ 埼玉県川越市小中居945-1 TEL:049-235-4886
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