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ホンダ車チューンの老舗ならではのチューニングプラン!
キット設定のないGTS7040スーパーチャージャーを軸にメニューを構築
老舗“トップフューエル”が手掛けたスーパーチャージャー仕様のCR-Zは、往復100kmの通勤で、CR-Zの加速力に不満を感じたというオーナーの依頼で製作されたもの。毎日長距離の通勤をこなすことを前提とするならば、トルク変動の少ないHKSのGTスーパーチャージャーを使った過給機チューンが快適性を保ててベストと判断したのだ。
最初からエンジン本体には手を入れない流れだったため、普通ならばHKSのCR-Z用スーパーチャージャーキット(GTS4015)を選択するのだが、トップフューエルでは、あえて加工やワンオフパーツの製作が伴うGTS7040のセットアップキットを推奨。GTS7040は2.0Lクラス向けのサイズで、300psオーバーも狙えるポテンシャルを持っている。
その理由は、余裕のあるコンプレッサーサイズを使うことでブースト圧を抑えながら高回転まで伸びのあるフィールを持たせるため。また、プーリー比を抑え、コンプレッサーの回転数を上げないことで、スーパーチャージャー本体の負担を減らす(=寿命を伸ばす)ことができるのもメリットだ。
GTS7040の性能を引き出すための補機チューンも徹底。サクションパイプはトップフューエルがワンオフ製作し、インタークーラーもランエボ用コアを使ってワンオフ、インジェクターは300ccへと容量アップを果たした。
ちなみにこのインタークーラーコアは、重量も軽く寸法もCR-Zにピッタリだったとのこと。スーパーチャージャーには余力があるので、パワーアップの手段というより、エンジンの負担を減らし安全率を高めるための吸気冷却と言える。
そして排気系は、触媒などが付くエキマニまでは純正のままマフラーはステンレスでワンオフ。抜けすぎを避けるため、中間パイプ50φ→テールパイプ60φとし、排気効率を高めて効果的な過給に繋げている。
その他、キャパシティが不足気味なブレーキはフロントをDC5用ブレンポにすることで解決。ローターはS2000用の300mm仕様だ。ホイールは18インチのアドバンRZ-DFで、タイヤにはネオバAD08(FR225/40-18)をセットしている。
最高出力はエンジン本体の耐久性を考慮して、プーリー比でブーストを0.8キロに抑えているものの、F-CON iS制御で実測210psを発揮。ベース車両のエンジン出力が120psということを考えれば、十分すぎる数値だろう。
なお、アクセルを踏むのが楽しくなるというスーパーチャージャー付きの通勤快速仕様だが、燃費の方も普通に乗れば17km/Lを確保できているそうだ。エコカーとしての特性をしっかり残したチューニングカーに仕上がっているというわけだ。
●取材協力:トップフューエル 三重県松阪市中道町500-1 TEL:0598-56-5880
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