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3S-GE+NOSでフルチューン4A-Gを超える!
速さだけでなく高い耐久性も魅力だ
以前は4A-Gのフルチューン、200ps仕様でサーキット走行を楽しんでいたオーナーの江藤さん。しかし1.6Lベースで200psというハイチューンエンジンは、シフトミス等でレブらせてしまうとブローに直結する確率が高い。
実際、江藤さんも些細なドライビングミスによってエンジンブローを経験。それも一度ではなく数回だ。「このままでは走りを楽しむどころではない」と考えた江藤さんは、エンジンスワップを決意。そこで白羽の矢が立ったのが、アルテッツァに搭載されている3S-GE(200ps)だった。
エンジンスワップ&チューニングを担当したのは、埼玉県の“テクニカルショップアンフィニ”だ。単に3S-GEを換装するのではなく、バルクヘッドを切開した上でエンジン本体をミッドマウント。同時にアルテッツァのミッショントンネル&6速MTを移植し、理想的なパワートレインを手に入れた。
換装した3S-GEはノーマルのままだが、ドーピングアイテムとしてNOSを投入しているのもこのチューンドの特徴だ。1本あたり50ps相当のノズルを2本装着しているため、全噴射時に得られるエクストラパワーは100ps。
アクセル開度85%未満ではNOSを噴射しないセッティングで、それ以下のアクセルワークでタイヤ等を温めた後、タイムアタックに入れば常時250ps。2ステージ目のボタンを押せば300ps仕様となる。
NOSの噴射タイミングを制御するのは、アンフィニが独自に生み出した「NCS」。年々進化しており、従来のリレー方式だと約0.3秒ものタイムラグが出て緻密なコントロールができなかったが、半導体方式とすることでラグは100万分の1秒にまで縮まったそうだ。
サージタンクもワンオフで製作。これは将来的にターボ化する時を想定して作られたもの。ちなみに、スロットルボディはナプレックの70φをチョイスしている。
普段は公認の2名乗車だが、サーキット走行時は助手席にNOSボンベを搭載。ちなみに、ボンベに巻かれている茶色のカバーはボトルヒーター。内圧を常に約900psi+αで安定させ、NOSの噴射量を一定に保つことを目的としている。
2ステージ目のNOSを噴射するスイッチはステアリングの右上部に装着。パワーバンドから外れてしまうコーナーの脱出時やストレート区間などで活用するそうだ。
エンジンマネージメントはフルコンのVi-PECが担当。その横に確認できるF-CON iSは、NOS噴射時に点火時期をリタードさせるために使用している。
こうして完成した3S-GE仕様のAE86の乗り味は、江藤さんの想像を超えるレベルだったようで「パワーとトルクが太ったぶん、ストリートでもサーキットでもすごく乗りやすくなりました。1トン以下の車重に対してこのパワーですから、アマチュアの僕には十分すぎるほどのスペックです!」と笑顔で語ってくれた。
気難しさなど一切なく、最新スポーツモデルにも勝るとも劣らぬパフォーマンスを発揮する3S-GE+NOS仕様。ともあれ、オーナーの情熱と夢をカタチにするアンフィニの技術力には感服だ。
●取材協力:テクニカルショップ アンフィニ 埼玉県川口市西立野472 TEL:048-294-6161
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テクニカルショップアンフィニ
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