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8000rpmまでパワーが追従するGTIII-RSタービン仕様
カンサイサービスらしいEJ20の真価を解放する的確なメニュー
ストリートをターゲットに、快速&快適を徹底追求した老舗“カンサイサービス”のVAB型WRX STI。最後のEJ20エンジンの楽しさを、フルに味わえるような大人の味付けがこのマシンの魅力であり、カンサイ流と言えるだろう。
パワーユニットは低速域の改善を目的にHKSのGTIIIーRSタービンをセット。燃料系はポンプの大容量化のみ、制御をフラッシュエディター+EVC6-IRとすることで、コストパフォーマンスが高く8000rpmまで一気に回るパワー特性を獲得している。最高出力は375ps/6980rpm、47.2kgm/4870rpmだ。
パワーフローへ効果的にフレッシュエアを導く、カーボンエアダクトはカンサイサービスのオリジナル製品。エンジンルームを飾るドレスアップパーツとしても有効だ。
排気系は、HKSのメタルキャタライザーとスーパーターボマフラーの合法仕様となる。
足回りはワインディングステージを想定した、HKSハイパーマックスⅣSPのオリジナル減衰仕様を装備。ロール剛性を考慮してクスコの強化スタビも前後に導入している。
ホイールはアドバンレーシングRZーF2(FR9.5J×18+44)で、タイヤにはグリップバランスが非常に良いアドバンA052(FR245/40R18)を組む。ブレーキは純正キャリパーを活かしてパッド交換(プロジェクトミュー F:レーシングN+パッド R:HC+パッド)に留める。
VABのポテンシャルを引き出すためのポイントなるのが、ボディ剛性のアップ。タワーバーでサスの上側、ロワアームバーで下側をしっかり支える他、リヤにはメンバーブレースバーも装着している。
エクステリアはSTIのスタイルパッケージを軸に、バリスのクーリングボンネットとボルテックスのGTウイングで武装。
インテリアはシンプルメイク。運転席をフルバケットタイプのレカロRSーG、助手席側はリクライニングタイプのSRー7Fに変更。2個のモニターはエンジン制御のフラッシュエディターとブースト制御のEVC6-IRだ。
このチューンドを峠で試乗したレーシングドライバーの和田久選手は「低速域でグワッとブーストが立ち上がるけど高回転は頭打ちになるノーマルのパワー特性に対し、このVABは中速域を落とすことなくしっかり8000rpmまでパワーが追従する。タイトなワインディングでもしっかり踏ん張る足と合わせて、さすがカンサイサービスという完成度だね」と絶賛。
決して派手ではないが、様々なノウハウが詰め込まれたWRX STI。老舗らしい拘りを随所に見ることができる1台となっている。
●取材協力:カンサイサービス 奈良県奈良市小倉町1080 TEL:0743-84-0126
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