目次
インナーブリスターを軸にしたエンジンベイも注目!
Z34バージョンニスモ用の19インチでキメる
この美しい180SXは、ローフォルムが際立つ極上のショーカーを数多く手掛けてきた鬼才ビルダー“イシカワボディ”のデモカー的存在であり石川代表の愛車だ。
「元々は嫁さんが久々にマニュアルに乗りたいって言うから手に入れたクルマなんです。そしたら、色々とやりたくなっちゃって…」と、ついつい改造魂に着火。得意とするメタルワークを駆使して、オリジナルのワイドフェンダーを作り上げた。
なお、このフェンダーを設計するにあたっては「自動車メーカーのコンセプトカーやデザインスケッチを見まくって、180SXに合わせ込んだ」とのこと。流行のワークス形状ではなく、180SXのボディシルエットを崩さないナチュラルデザインを目指したのだ。
ワイド幅はフロントが片側20mm、リヤが片側40mmの設定。純正フェンダーアーチは約40mm切り上げられているが、Z34バージョンニスモ用の19インチ(タイヤ:F215/35R19 R255/30R19)を入れて、なおこの低車高を実現する。
ちなみに、このワイドフェンダーは前後セットで製品化(8万8000円/FRP)されているが、すでに70セットを販売しているというから恐れ入る。
足回りは、HKSハイパーマックス車高調+特注エアカップのコンビネーションで構築。ドリフトなどのスポーツ走行時は低車高のまま、街乗り時はエアサスとして車高を上げて走行する。制御は走行時の空気圧を自動調整するエアリフターで行う。
エンジンベイも凄まじい。流行のサイクルフェンダー仕様ではなく、ボックスに補機類やハーネスなどを収納して隠すインナーブリスターという手法を採用しているのだ。なお、バルクヘッド側の鉄板カバーはストラットタワーバーとしての効果も担う。パワースペックは、ハイカムにGT-SSタービンを組み合わせた仕様だ。
インテリアメイクも抜かりなし。ダッシュ周りをS15シルビアから移植した上で、前後シートやドア内張り、トノカバー、ロールケージパッドなどをタンレザーで張り替えて高級感を演出。「内装だけは専門店に頼んだのでお金が掛かりましたね」とは石川さん。
エクステリアは基本的に純正エアロに拘っているが、フロントのサイドターンランプをレス化したため、ウインカー付きエアロミラーのみ社外品を装備する。ボディカラーは、ステルス性を高めるためにソリッドのブラックとしている。
プロの職人が“趣味の一環”として情熱を注いだ美しすぎる180SX。明確なテーマ性はもちろん、カスタムが「足し算」だけでなく「引き算」も重要であることを教えてくれているような1台だ。
PHOTO:Akio HIRANO
●取材協力:イシカワボディ 静岡県浜松市北区三ケ日町下尾奈1139-1 TEL:053−524−2888