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屋内保管の極上ボディをぶった切るオーナーの勇気に乾杯
純正の美しいボディラインを活かした極低スタイル!
内外装のコンディションが異常に良いS13シルビアの登場だ。聞けば、「納屋に保管されているAT車のQ’sがあるらしい…」という情報を耳にしたオーナーが、持ち主と直接交渉して譲ってもらった車両なのだという。
入手したタイミングでの走行距離は何と1万8000km。しかもフルノーマルで、機関系の程度も良好の超極上車だったというから恐れ入る。
中古車オークションに流せばプレミアム価格になること必至の個体だが、オーナーは自分好みの仕様を目指してモディファイ開始。180SXから5速MTをはじめとする各種パーツを移植しながら、カスタムを進めたのだ。
一番の拘りは、やはりシャコタン。以前はノーマルフェンダーのアーチ上げ仕様だったそうだが、オーバーフェンダー仕様へと路線変更。オーバーフェンダー自体はNスタイル製で、ワイド幅はフロントが30mm、リヤが50mm。さらに純正フェンダーを、フロント30mm、リヤ60mmほどアーチ上げ加工して、究極のローフォルムを演出しているのだ。
また、ここまで車高を下げるとリヤサスメンバーが路面に近づきすぎるため、メンバー自体を街角Rで補強した上で、20mmもの上げ加工を実施。ホイールには17インチのワークシーカーをチョイスする。
リヤフェンダーはフューエルリッドの切り欠きができるのを嫌い、給油口自体をトランク内に移設している。
エンジン本体はS13のSR20をそのまま使い、タービンをS14純正の斜流に交換。燃料系や排気系、冷却系は強化済みだ。タイヤハウスは、フロントタイヤ(235/40R17)との干渉をさけるためにハンマリングで大きく叩き出している。
5速MTへの換装だけでなく、ロールケージやバケットシートなども装備。ドリフト仕様らしいインテリアだが、ダッシュボードは割れもなく、年式を一切感じさせない状態の良さを誇る。
エクステリアは純正の2トーンカラーやリヤスポイラーを残し、S13後期らしさを追求。D-MAXのLEDクリスタルテールランプも、後付感を払拭するためにわざわざ純正色で塗り分けたほどだ。
取材時の走行距離は3万5000km。国宝級のベース車両だが、動態保存することなく自分色に改造して各地を走り回るオーナーの心意気には感服だ。(OPTION CARAVANより抜粋)