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エンジンは全域トルク型のRB26改ニスモS2仕様を搭載!
新車以上にまでコンディションを高めるワークスの技
大柄なボディを採用してはいるが、BNR32に対して空力性能は高く、ホイールベースも延長されたことで高速安定性にも優れるBCNR33。
ニスモ大森ファクトリーはその特性を崩す事なく、メーカー直系ワークスらしい質実剛健のチューニングでBCNR33をブラッシュアップ。そうして誕生したのが、CRS(クラブマン・レース・スペック)というコードネームが与えられたBCNR33 CRS.だ。
エンジンは、BNR34タービンを軸に全域でのトルクアップを実現するRB26DETTのS2仕様を搭載。このパワーユニットは、霧化効率の高いR35GT-R純正の570ccマルチホールインジェクターの他、専用カムシャフト、0.9mmメタルガスケット、専用ECUなどを組み込んだコンプリートスペックだ。
なお、ニスモ大森ファクトリーはエンジンの分解&組み立てを行なうエンジン整備室や、完成したエンジンの性能を確認するエンジンベンチ室なども完備。レーシングマシンと同じ環境、同じクオリティが一般ユーザーに提供される。
作業スペースは全域が空調管理された車両整備場で、ユーザーごとに決まったメカニックが対応することで、かかりつけ医のようなきめ細かいサービスが提供できるようになっている。S2エンジンも、もちろんこのラインで製作される。
エキゾースト環境も、RB26DETTの性能を極限まで高めるために開発されたエキゾーストシステムNE-1で最適化している。これは、フロントパイプからキャタライザー、センターサイレンサーまでデュアル化し、全域で高い排気効率を実現する逸品だ。チタン製のため軽量化にも効果的だ。
なお、BCNR33はBNR34よりもボディ剛性が低いため、バルクヘッドのガゼット貼り込み(ドライカーボン)やアンダーフロアへの補強バー追加など、目に見えない部分まで徹底的に補強&リフレッシュを施すことで新車以上の剛性感と軽快なフットワークを手に入れている。
サスペンションには、オーリンズHALコンプリートをベースにしたニスモ大森ファクトリーオリジナルスペックを装備する。
インテリアもシート&ルーフライニングを張り替えてリフレッシュ済みだ。シートは本革+アルカンターラ、ルーフライニングは張り替えの他、吸音シートを追加することで静寂性を高めている。
エクステリアは、後期型ヘッドライトを投入した上で、フロントバンパーとリヤスポイラーをニスモ製に変更。リヤスポイラーは、2枚羽の角度調整機能付きカーボンフラップを採用する。
コンディションはもはや新車以上。しかも、これらのチューニング&リフレッシュメニューはスペシャルではなく、ニスモ大森ファクトリーでユーザーに提供しているものだ。何より、第二世代GT-Rを知り尽くしたメーカー直系ワークスによる各部のアプローチは、BCNR33オーナーにとって参考になるものばかりではないだろうか。
●取材協力:ニスモ大森ファクトリー 神奈川県横浜市鶴見区大黒町6-1 TEL:045-505-8508
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ニスモ大森ファクトリー
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