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過給機チューン並みの図太いトルクでタイプRを圧倒!
ジェントルスポーツを体現するCL7を超刺激的マシンへモディファイ
“M&Mホンダ”が熟成に熟成を重ねてきたCL7型アコードユーロRは、本気で「タイプRを食うユーロR」というテーマを体現した一台だ。
そもそも、7代目アコードに設定されたユーロRとは、2.0LのK20A型DOHCに専用の高精度ヘッドを載せ、最高出力を220psまで高めた痛快スポーツサルーン。一方で振動対策として2次バランサーを内蔵するなど、ジェントルな性格も持ち合わせていた。
そうした特性を活かしつつ高回転仕様として鍛え上げるのがCL7鉄板チューンだったが、このチューンドは全く異なるアプローチが取られている。細部を見ていく。
まずエンジンは、腰下にCL9型アコードのK24Aブロックを流用。同時に、シリンダーブロックにアメリカのダートンのスリーブキット(ボア90mm)を打ち込み、ブライアンクロワーの102mmビレットクランクを組むことで排気量を2.6L化まで拡大しているのだ。
「常にクリアラップが取れるとは限らない走行会だと、頻繁に回転落ちしますからトルクが太い方が有利。官能性ではK20Aに軍配が上がりますが、このK24A改2.6L仕様は、まるで過給機を付けているようにどこからでも加速します」と、M&Mホンダの真島さんは語る。
インテークには、戸田レーシングのスポーツインジェクションキットを装着してレスポンスを向上。インジェクターはデンソー製の550ccマルチホール式に変更済みだ。
重要なエンジンマネージメントには、純正ハーネスを使えるハルテックのプラチナムプロ・プラグインを採用する。
ミッションは純正だが、ギヤをDC5用(1~6速)に変更することでギヤ比を最適化。メカニカルなシフトレバーは、アメリカのハイブリッドレーシング製ショートシフター。削り出しで剛性感が高い上、レバーのポジションやストローク量も好みで調整することができる優れものだ。
足回りはオーリンズベースのM&Mオリジナル車高調。スプリングレートはフロント26kg/mm、リヤ22kg/mmだ。フロントロワアームはワンオフで製作されたレーシングスペックが与えられている。
サスペンションに入力される負荷に対して、リニアに足を動かすことを目的にブッシュ類はピロで打ち替えられ、サブフレームもリジット化。アームは調整式を多数投入して、アライメントをスポーツ方向に振っている。
ブレーキはフロントにap製6ポットキャリパーを装備。2ピース構造の大径ローターは、制動力アップはもちろん、バネ下重量の軽減にも貢献してくれる。
エクステリアを覆うのは、この車両のためにワンオフで製作されたM&Mオリジナルのワイドボディキット。前後ともに片側70mmワイドを実現している。カーボン製のGTウイング、ボンネット、トランクも全てM&Mホンダのオリジナル製品だ。
ホイールはボルクレーシングTE37SLの18インチ(FR11.0J+18)で、タイヤにはアドバンA050AのMコンパウンド(F295/30-18 R265/35-18)を組み込む。
「ターザン山田さんに初めて試乗してもらった時、クルマから降りてくるなり『これってチャージャー?』と目を丸くして聞かれたことが嬉しかったですね(笑)。どこから踏んでも加速する扱いやすさは、現代的な過給機仕様に近い感覚もあるので、そういう意味でもFK8に近づけたかもしれません」とは真島さん。
敢えてCL7のネガティブな要素を挙げると「重量が重い」ことだが、思い切ってエアコンレスとすることで軽量化と冷却効率の向上も図っている。
パワーは未測定だが「おそらく300ps近くは出ているでしょう」とのこと。仮想敵である225psのFD2型シビックタイプRはもちろん、さらに軽量化とブレーキの強化を進めていけば、現行タイプRのFK8とも十分に戦える存在へと昇華するのだ。
●取材協力:M&Mホンダ 福岡県太宰府市国分1丁目18-8 TEL:092-923-1955
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