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ノーマルAT仕様で筑波1分6秒267は速すぎる!
筑波をターゲットにコーナリング性能を追求する
「ミニバンみたいな遅そうなクルマが、ありえないスピードでぶっ飛ばしてる姿は痛快じゃないですか〜」。これこそがまさにタケローズというチューングショップの流儀だ。そしてこの3代目オデッセイは、筑波サーキットをターゲットにマシンメイクを施した本気のタイムアタックマシン。
ベースのオデッセイは4WDの160ps仕様、筑波を攻めるにはあまりにも非力だ。過給機チューンで500psオーバーを狙うのが手っ取り早いが、“ノーマルATでどこまでいけるか?”という自己レギュレーションを設定しているため、パワーアップにも限界がある。そこでタケローズは、オデッセイ本来のコーナリング性能を磨き上げることで筑波攻略を狙った。
その具体的な手法は、軽量化とボディ補強だ。ボディメイクを本業とする、タケローズの気合は凄まじかった。
まず、走りに直接関係ない装備を片っぱしから撤去してボディをドンガラ状態に。その上で、ノーマルの1.6トンという重量を徹底的な削っていき、フルエアロやブリスターフェンダーといったパーツだけではなく、ルーフやリヤウインドウまでもカーボンで製作。また、重量増を嫌ってロールケージ以外の補強バーは使用せず、フレームやメンバー、バルクヘッド…と、3000発オーバーのスポット溶接で剛性アップしている。
ロールケージは軽量化によりルーフをカットしていることもあって必需品だ。パイプ径や肉厚などJAF規定に合わせて、スチールの曲げパイプを特注して製作した。室内で存在感を放つブリッドのフルバケ4脚については「ミニバンだからシートは最低でも4脚は必要」との理由から。
リヤゲートは、フレームだけを残してフルカーボン化。ウインドウが無くなった代わりにカメラを埋め込み、コクピット中央のモニターで後方を確認する仕組みだ。
足回りには、アルミシェルケースを採用した全長調整式車高調「レーシングパフォーマンスダンパー」を装備。アラゴスタをベースとするタケローズのハイスペックモデルだ。ブレーキはフロント6ポット+355mmローター、リヤは4ポット+345mmローターとなる。ちなみに、リヤローター内にはブレーキシューが入りきらないため、パーキングブレーキは付いていない。
もちろん、エンジンチューンもハイレベルだ。160psのK24AにオリジナルのEXマニを介してK3-450Rタービンをドッキング。ターボ化にともなう燃料系の見直しと、ECUセッティングは名門“ザウルス”が担当している。インジェクターはニスモER34用を加工して流用。燃料ポンプは単純に交換が出来なかったため、コレクタータンクをフロア下に追加することで解決。燃料パイプは全て引き直された。最高出力はブースト1.0キロ時に400ps/46kgmを誇る。
インタークーラーのパイピングもザウルスが監修。アクセルレスポンスを向上させるため、可能な限り短くレイアウトされている。さらに、マフラーも「350psオーバーを狙うには70φ以上欲しい」というザウルス林さんのアドバイスによって、メインパイプ76.3φへと仕様変更された。
これらのチューニングにより、筑波サーキットではミニバンとしては驚異的な1分6秒267(ドライバー:織戸学選手)をマーク。しかもこのタイムは、ノーマルATが完全にスベっていた状態での結果なのだから恐れ入る。
●取材協力:タケローズ TEL:042-569-1425
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