「空冷ポルシェの気難しさを完全解消!」現代の電子デバイスを駆使してチューンド930を従える

930ターボを現代技術でレストモッド!

気難しさと乗りづらさを解消!

インポートスポーツの中でもチューニングフリークを魅了してやまないのが、空冷のポルシェ911ターボ。大排気量の水平対向6気筒ターボで引き出す圧巻ポテンシャルを、抜群のトラクション性能を誇るRRパッケージで路面へと伝達する快感に魅せられ、90年代後半から00年代前半にかけては国産チューンドから911ターボの930型や964型に乗り換えるユーザーが急増。

オリジナルでも2千万円オーバーと相場高騰してしまった今、気軽に手を出すことのできない存在となってしまったが、憧れを広く集める1台になっている。

さて、そんな空冷ポルシェのレストモッドをスタートさせたのが、広島県のギャラクシーカスタムショップだ。ベースとなるのは、ボディからエンジンまでトータルチューニングが施された930型。そこにアメリカのドラッグシーンで圧倒的シェアを誇るフルコンのフューエルテック、電動ウエストゲートや電子制御スロットルなど最新デバイスを投入し“乗りやすくて速いチューンドポルシェ”の実現を目指す。

「実は多くのユーザーと同じく、僕も空冷ポルシェに乗りたいと憧れていた一人でした。運良く知り合いから譲ってもらえたものの、いざ乗ってみると超絶なジャジャ馬。993型流用のリヤマルチリンク化や3.2Lインマニ流用のインジェクション化、G50ミッション流用の5速MT化など、細部までしっかりと作り込まれた450ps仕様でしたが、ブースト圧が掛かると一気に豹変する走りは正直手に負えない。そこで、日本総代理店となっているフューエルテックのデモンストレーションを兼ねて、チューンドポルシェのアクセルを誰もが安心して全開で踏めるレストモッドに取り組むことにしました」とは、代表のファビオさんだ。

第1段階となる現仕様では扱いやすさにウエイトを置き、電子制御スロットルやダイレクトイグニッションコイル、アルコール燃料対応1800ccインジェクターなどを投入した500ps仕様に仕上げられた。さらに、第2段階では四輪の回転をモニタリングしてのトラクションコントロールを加えて、ハイチューンドでも安定した走りを引き出していく予定だ。

扱いやすさを引き出すキーアイテムがターボスマート製の電動ウエストゲート。フューエルテックFT600で、ギヤや車速に応じたブーストコントロールを緻密に行ない、安心してアクセルを全開にできる速さへと変えていく。

タービンは3.3ℓ純正のK27と思われるが詳細不明で、過給が立ち上がれば一気に豹変するドッカンターボだった。電動ウエストゲートならタービンを変えることなくスムーズなブースト特性に仕上げられる。

ハイブーストを掛けるため、インジェクターはアルコール燃料対応のフューエルテック製1800ccに変更。フレックスフューエルセンサーで多少の燃料混合状態も補正できるため、本場アメリカのようにドラッグとストリートで燃料を使い分けていく。また、点火系はダイレクトイグニッション化し、V6エンジン用ブラケットでマウントされていた。

スロットルは68φのワイヤー式からインマニ容量に最適化した82φの電子式に変更。フルコンでのスロットル制御を可能にすることで、ドライビングフィールを損なわないようにアクセルワークをリニアかつ緻密にバックアップしていく。

フューエルテックは、全モデルがタッチパネル式ディスプレイ一体ユニットとなっている。使用するのはシフトライトまで備えたハイエンドモデルのFT600。チューンドポルシェの扱いやすさを引き出すだけでなく、アルコール燃料を使ってのドラッグレース参戦を計画中だ。

4.3インチ・タッチスクリーンのマルチディスプレイに集約されたフルコンは、接続したPCだけでなくタッチスクリーンで直接マップ調整することも可能だ。コンパクトな筐体ながらデータロガーまで搭載し、ドラッグレースに特化したブーストコントロールや、時間ベースの燃料・点火制御、トラクションコントロールなどが用意されている。

ベース車両にはワンオフのロールケージやアクリルガラスが備えられ、本気で走り込むため入念に作り込まれていた。なお、フューエルテックFT600はマルチディスプレイに加えてオドメーターを備えているため、保安基準適合でメーター周りのフルデジタル化が可能だが、空冷ポルシェが持つ質感をリスペクトし、今回のレストモッドではセンターコンソール部にさりげなくマウントされた。

「いつかは乗りたいと憧れていた930ターボでしたが、いざ乗ってみるとピーキーさが怖くて全開にできなかったんですね。ただ、そんなジャジャ馬も最新デバイスを駆使すれば、速さを損なうことなく安心して楽しめるように仕上がりますよ」とは、車両オーナーでありチューナーのFabio Nakamuraさん。

チューンドポルシェの魅力はそのままに、サラブレッド級の速さと扱いやすさを加えていく注目のアプローチ。近日オールペンするというエクステリアも含め、どのような仕上がりを披露してくれるのか期待が高まる。

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取材協力:ギャラクシーカスタムショップ 広島県尾道市浦崎町1572-4 TEL:0848-73-3077

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http://www.galaxycustomshop.com

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