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実用性重視のRB26改2.7L仕様が面白い!
名門の技術力が詰め込まれた珠玉のR
かつて、RRCドラッグレース(JAF公認団体ロードランナーレーシングクラブ)にBNR32でプライベート参戦していたオーナー。当時、エスプリで製作されたRB26はGT3037Sツインのいわゆる1000ps仕様で、8秒台を記録したのちドラッグレースを引退。それから数年後、新たにBNR34を手に入れた時「あのエンジンを載せよう」と思ったそうだ。
しかし、ピークパワーだけを追い求めていたレーシングマシンのエンジンが、低〜中回転域が重要なストリートカーにマッチするはずがない。換装した心臓部は、やがてピストンピンが割れてブローという結末に。
オーナーはすぐに完全ストリートスペックのフルチューンRB26の製作を決意。コンセプトは、街乗りを一切犠牲にすることなく、かつ「鈴鹿2分18秒、ゼロヨン10秒5、最高速320km/h」をクリアできるスペックだ。そこで、重要な腰下には2mmストロークアップというトラストの2700ccキットを選択。これは「低速トルクを稼ぎつつ、高回転の気持ち良さも味わえる」という理由からのパーツチョイスだ。そして、アイドリング付近の安定性と街乗りでの実用性を重視して、8.7mmリフトのハイカムをインストールした。
組み合わせるタービンはGT-RSツイン。パワーを過給機で絞り出そうという狙いでサージタンクも大容量化し、最大ブースト1.8キロ時にタービン風量を使い切る825ps/7100rpm、78km/6500rpmを発生させている。
ステアリング交換とEVCをセットしてるのみの必要最低限なインパネ周り。800psオーバーのクルマとは思えないシンプルな仕上がりはストリート仕様ならではだ。
運転席はブリッドのガイアスに交換。フルバケのホールド感を得ながら、ストリートの使い勝手まで考慮した選択だ。
一方のサスペンションはエスプリオリジナルのハイパーマックスプロ車高調(FR16kg/mm)を軸に構築。ブレーキは前後ともにレーシングブレンボ(F6ポッド R4ポッド)を奢る。ホイールはプロドライブのGC-010Gの10.5Jだ。
高回転オンリーの1000psより、街乗りも可能な800ps。ストリート仕様として「乗りやすいし、パワー的にも十分速いです」とオーナー。この仕様で鈴鹿サーキットを走ってみたものの「ドラッグレースをやっていたせいか、どうも周回系は肌に合わないかもしれません」とか。このBNR34に最も似合うシチュエーションは、やはりストリートしかないだろう。
●取材協力:エスプリ 三重県鈴鹿市住吉3-19-1 TEL:0593-70-8080
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