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エンジンはSR20VEを換装し204馬力を発揮!
純正流用モディファイによる5穴ハブ化も実現
JTCC仕様という明確なターゲットを持つ渡邉さんのプリメーラ。北米仕様であるインフィニティG20の前後バンパーを備え、バンパーの出面が少し大きい分、伸びやかなシルエットを獲得。レーシーなニスモLM GT3が似合うローダウンスタイルを実現した。
エンジンはVEヘッド換装ではなく、HP12型プリメーラ20Vに採用されていたSR20VE型をそのまま搭載。ECU、ハーネス、ヒューズボックスなどもSR20VE用だ。ちなみに、20Vのミッションは本来6速MT仕様だが、この車両には元々使っていたパルサー用の5速MTをドッキングしている。
ヘッドライトとテールランプが欧州仕様になっているのも隠れた拘り。ヘッドライトは内側にフォグが備わる4灯式となり、テールはウインカーがクリアになるのが特徴だ。
室内には、プリメーラの2名乗車用としてラインナップされているオクヤマの11点式ロールケージをインストール。リヤの内装パーツを全撤去し、鉄板剥き出しの完全トランクスルー仕様(?)としているのもポイントだ。置きのイベントに参加するようになってから美観を整えることにも意識が回るようになり、インナーボディの全塗装も行なっている。
足元は、アベニール用のフロントナックルとセフィーロ用のリヤハブを使って5穴化した上で、9.0J×17のNISMO LM GT3をセット。無骨なスポークの隙間から覗くフロントブレーキは、R33スカイラインの対向4ポットキャリパーだ。
足回りのメイキングも独特。車高を下げるとアッパーアームが当たり、キャンバー調整もあまり出来ないマルチリンクに別れを告げ、S13流用のフロントストラットに変更しているのである。結果スタビレス仕様となったものの、理想的な低さを手に入れた渡邉さんにとって、そのようなネガ要素など小さな問題だ。
一方のエアロパーツは、ファーストモールディングのFRPボンネットやアコード用のガナドールミラーなどを組み込みながらシンプルに個性を演出する。
JTCC仕様と言えばカストロールやカルソニックのカラーリングが有名だが、渡邉さんがモチーフにしたのは白いボディにNISSANのストライプが入ったテストカー。明確なコンセプトに基づいて製作された拘り尽くしのプリメーラ、センスの良さが光るスーパーカスタムと言えよう。
PHOTO:Akio HIRANO/TEXT:Hideo KOBAYASHI