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ブーストアップ VS タービン交換!
ブーストアップとのコスト差は約30万円!タービン交換は差額以上のメリットがあるか!?
ターボ車となって、さらにチューニング適応度が高まったZC33Sスイフトスポーツ。今回、名門“トップフューエル”がセントラルサーキットに持ち込んだのは、サーキット走行まで対応できるクルマ作りをコンセプトに、HKSのGTIII-FXタービンを組み込んだデモカーと、街乗り+αでの走行をメインとしたブーストアップ仕様の2台だ。
まず、それぞれのスペックを紹介していくと、タービン交換仕様はエンジン本体はノーマルのままGTIII-FXタービンを装着。ECUの現車合わせセッティングにより、約200psのパワーをマークしている。ブースト圧はオーバーシュート時に1.4キロかかり、そこから高回転にかけて0.9キロくらいまで落ちていくようなセッティングだ。
一方のブーストアップ仕様は、エンジン系はエアクリーナーとマフラーが変わっている程度。この状態でECUのデータを変更してブーストアップを行い、約180psのパワーを獲得。ブースト圧はオーバーシュート時で約1.4キロほど。純正タービンは低回転重視で容量が小さいため、高回転域にかけてブースト圧のタレが大きいという。
つまり、ピークパワー的には約20psの差。しかし、ブーストアップ仕様は基本的にECUの書き換えだけで完結するお手軽メニューなのに対して、タービン交換はGTIII-FXタービンのキット代だけで20万円オーバーとなる上に、作業工賃やECUセッティングが必要なハードなメニューとなる。
作業工賃の差というデメリットを、エンジン特性的にどこまでメリットを見出せるのか?という部分がタービン交換仕様に対しての気になる部分だろう。
ちなみに足回りは、タービン交換仕様はトップフューエルオリジナルの車高調とエンドレスのブレーキキットで強化済み。タイヤはアドバンA052(F225/45-17 R215/45-17)だ。一方のブーストアップ仕様は、ツルシのHKSハイパーマックスIV GT車高調で、タイヤはアドバンネオバAD08R(FR205/45-17)を装着していた。
それらを踏まえた上で、セントラルサーキットでテストを敢行。結果はご覧の通りだが、ラップタイムを筆頭にどれも参考にして良いタイム差だと思う。特にサーキットアタック時に、タービン交換仕様は水温の上昇による補正制御が入ってしまった状態でのタイムだったりする。
テスターの井入宏之選手は「ブーストアップ仕様は事前にそう聞いていなかったら、ノーマルと錯覚してしまうくらいフラットなトルク特性で乗りやすい。一方のタービン交換仕様は、アウトラップ時に、良いピックアップでブーストアップ仕様との違いを体感できていたんやけど、アタックに入ったら水温が上がって補正制御が入ってしまい、吹けが悪くなってしまった。万全の状態だったら、ここから1秒以上は速くなると思う。馬力は近いけど乗り味は確実に違う。特に高回転域でのパワー追従性はタービン交換仕様の方が圧倒的に良いよ」とコメント。
トップフューエル森本メカいわく「2台を比べて感じるのは、タービンサイズの差が及ぼすパワー特性への影響ですね。やはり、タービン交換は風量的に余裕があって高回転でパワーが出るようになります。エンジン特性的には、ブーストアップが3500rpmくらいから、タービン交換は4000rpmくらいからグイグイくる感じ。チューニング費用的には30万円ほどの差がありますけど、ブーストアップ仕様のさらに上を知りたい人には魅力的な内容だと思いますよ」とのこと。
つまり、サーキットでタイムを削りたい人にとってタービン交換仕様は価格差以上の価値があり、逆にストリート最優先ならばブーストアップ仕様で十分楽しめるというわけだ。
●トップフューエル 三重県松阪市中道町500-1 TEL:0598-56-5880
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