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お気軽メイクでゼロヨン11秒台を叩き出すドラッグ仕様
軽量ボディに400馬力の1JZ-GTE改を換装!
小振りなボディにFR駆動というパッケージを採用するAE86は、長年ドライバーを育てる手頃なベース車として親しまれてきた。「頭文字D」などの影響もあり、近年では中古車相場が高騰してしまったが、それでもハチロクを求める人は後を絶たない。
ここで紹介するAE86は、その軽量なボディに目を付けてドラッグ仕様のチューニングベースとされたものだ。
製作した“ガレージアクティブ”によると「カタログ値で900キロちょいの2ドアレビンにアフターパーツが豊富な1JZを搭載すれば、すぐ11秒台に到達できる」という構想が浮かび、秘蔵していた極上ボディのAE86にJZX90のパワートレインを移植したという。
綺麗に収まった1JZ-GTEは、腰下ノーマルのままヘッドにポート研磨と燃焼室の微修正というメニューを敢行。タワーバーをブローバイガスの経路として利用するなど、アクティブ独自のアイディアを盛り込んでのスワップだ。
なお、エンジン本体は15cmほどバルクヘッド側に寄せて搭載。重量バランスを考慮すると同時に、エンジンルーム前方のスペースを確保した。ミッションにはJZA70純正AT(A340E)をチョイス。このミッションを換装するためにフロアトンネルも拡げられている。
タービンはアクチュエーター式では最大級の風量を誇る、HKSのGT3037プロSをセット。最高出力は約400psだ。
エンジンマネージメントはJZX90の純正ECUが担い、F-CON iSで補正をかける。なお、スピードリミッターはHKSのSLDでキャンセルしている。コストパフォーマンスを優先したパーツセレクトだ。
重要な駆動系は、マークIIバン(GX70)に使われる7.5インチホーシングを加工流用。ドラッグコースでのお遊び用と割り切り、デフは機械式LSDではなく溶接によるデフロックとしている。
タイヤは、ゼロヨン走行時のみ225/50-16のフージャードラッグラジアルを使用。普段履きはデッドストックのロンシャンXR-4ホイール+ストリートラジアルだ。
アンダーコートなどは剥がされているものの、インテリアは非常にシンプルなメイキングだ。ドライバーズシートはホードル性が高いブリッドのジータIII、レーシングハーネスはシンプソンを奢る。
シフト周りはゲートごとJZX90のものを流用。ミッション自体は強化もしていないため、耐久性を考慮して400psという控え目な出力設定だが、車重が軽いため機敏かつ安定した加速を実現している。
エクステリアは、あえて”どこにでもいそうなハチロク”を目指してメイキング。無骨なチタンマフラーがAE86用にしては明らかに太すぎるが、この辺りがモンスターマシンであることを物語る数少ないパートと言えるだろう。
完成した車両は仙台ハイランドに持ち込まれ、2度目の走行で11秒166をマーク。まさに狙い通りの高性能ぶりを発揮したのだ。
「本格的な軽量化はしていないし、エンジンも400psとライトチューンの範疇。そう考えると十分な速さだよ。もちろん速くしようと思えばいくらでも可能だしね」と、アクティブの小林代表は笑みを浮かべる。発展性は無限大。今後の進化か楽しみな1台だ。(OPTION2誌2014年10月号より抜粋)
●取材協力 ガレージアクティブ 福島県会津若松市城北町8-43 TEL:0242-25-1833
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