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控え目のブースト設定でも580馬力を発揮!
長年のチューニング人生で辿り着いた最高の相棒
過去にはBCNR33やフォレスター、クラウンエステートを乗り継ぎ、どのクルマもエンジンチューニングを行ってきたという松田さんが、次なる相棒として選んだのは6気筒の1G-FEエンジンを搭載するアルテッツァだった。
もちろん、“何となく”で選んだわけではない。クラウンエステート時代に載せていた500ps仕様の2JZ-GTEエンジンを簡単に移植できることを絶対条件とし、“小回りが利いて、サーキットが走れる4ドアセダン”というキーワードをプラスした結果、必然的にアルテッツァに辿り着いたそう。
「エンジン本体はクラウンエステートに換装していたものですが、ノーマルエンジンの耐久性を考えてパワーは580psにセーブしています。筑波はギヤ比が合っていないのでまだ1分6秒台ですが、その辺りを改善してやれば1分3秒台が狙えるんじゃないかと思っています」と松田さん。
組み合わせるタービンは、700ps近くまで出力を稼げるHKSのTO4Zだ。ノーマルエンジンの耐久性を考えてブースト圧は控え目の1.5キロに設定し、580psで常用している。いずれは排気量を3.1Lまで高めてモアパワーを狙っていくそうだ。
エンジンマネージメントはHKSのF-CON Vプロが担当。セッティングは“ガレージヴァンナ”が担当している。
フロントバンパー開口部からは前置きインタークーラーのコアが顔を覗かせる。冷却効率を上げるためにナンバープレートはオフセットされ、迫力の面構えを演出する。なお、グリル奥に確認できるブルーのコアはエンジンオイルクーラー用だ。
トランスミッションはGXE10本来の6速MTや4速ATではなく、比較的設計が新しいJZX110系の5速(R154)を換装している。
「ステージ問わず、楽しく走れるスペックに仕上げています。色々なチューンドに乗ってきましたが、使い勝手の良いコンパクトな4ドアセダンにハイパワーエンジンの組み合わせは最高ですね!」と語ってくれた松田さん。
公認車検も取得して、堂々と乗れるストリートスペック。チューンドベースとしてはマイナーな部類のGXE10だが、情熱があればここまでできる。チューニングの原点を強く感じさせてくれる1台だ。
PHOTO:金子信敏/REPORT:石井健之