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リフトアップ+超大径ホイールが正義!
アメリカ生まれのカスタムスタイルをソアラで表現
カスタムのジャンルは多々あれど、ハイライザー(ドンクとも呼ばれる)ほどぶっ飛んだジャンルはないだろう。セダンやクーペをリフトアップし、20インチ以上の大径ホイールを履かせるというアメリカ東海岸生まれの衝撃的スタイルは、異形そのものだ。
今回は、そんなハイライザースタイルに日本のスポーツカーでチャレンジした強者の愛機を紹介していく。
先にホイールを買って「どんなクルマに履かせたら目立つだろ?」と考えた末、意外性ありまくりのJZZ31ソアラをベース車に選んだというオーナー。「昔は1JZターボの2.5GT-Tでドリフトしてました。今回は、走れば良かったんでNAの2JZを積んだ3.0GTがベースです」とのこと。
ホイールは、22インチのリム径に対して、ディッシュ径が27インチ(実際は26インチに加工済み)というレグザーニLX131を装着。前後とも9.5Jオフセット+35だ。タイヤは285/35-22サイズのミシュランラジアルXが組み合わせる。
ノーマルのフェンダーアーチよりもタイヤのアールの方が大きいことは明らか。そこで、フェンダーアーチの前後をタイヤに合わせてカットしている。結構な勢いでタイヤがハミ出しているが、これでステアリングを切ってもタイヤがフェンダーアーチに干渉することはない。
一般的な18インチとハイライザー用ホイールを比べて見るとその差は歴然。このソアラに組んでいるタイヤ&ホイールで重量は50kg(1本)もあるそうで、ハブごともぎ取れてしまわないか心配になるレベルだ。
なお、そのままではタイヤとディッシュに隙間ができるため、サイドウォールの一部を削いで埋めている。
足回りは、ダンパーもスプリングも純正品。何が違うかというと、アッパーマウントとスプリングの間に厚さ60〜70mmくらいのスチール製スペーサーを装着しているのだ。すると、スプリングに目一杯プリロードをかけることになるためダンパーが伸びきって、さらに1G(着地)状態でもほとんど縮まなくなるわけだ。
普通はジャッキアップした状態からクルマを降ろすとクルマの自重でダンパーが縮むが、そのストロークを無くす事で車高を高くキープできるのだ。
少し試乗させてもらったところ、まずソアラなのにアイポイントが明らかにおかしい(笑) ファイナル比がノーマルのまま、タイヤ外径が異様に大きくなってて、しかもホイール+タイヤ1組あたり50kgもあるため、ゼロ発進はかなり遅い。スピードが乗れば普通に走るけれど結構“轍”にステアリングが取られる。
それと、タイヤがフェンダー内に干渉してしまうから、直進状態からステアリングを回せるのは1回転まで。つまり、小回りがまるで利かないのだ。さらに100km/h時にスピードメーターが70〜75km/hを表示するなど誤差もハンパでない。
しかし、そういうネガ要素は些細な問題だ。見た目のインパクトはもちろん、乗っていてこの上なく楽しい気分になれるのだから!(OPTION誌2010年11月号より抜粋)