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X-RESPONSEが切り開く未来
全てが機能に帰結するレーシングエアロ!
FD3SはRE雨宮の歴史の中で、最も長く深く使い込まれたRX-7だ。その過程で様々なスーパーチューンドを世に送り出してはファンを驚かせ、そして感動させ続けてきた。
ここで紹介する“X-RESPONSE”もその例に漏れず、2018年の東京オートサロンで発表するやいなや、その日本車離れした独創フォルムが大きな話題を呼んだストリートモデルだ。細部を見ていく。
13B-REWエンジンは、サイドポート拡大加工とギャレットTO4Zタービンの組み合わせによって500psのパフォーマンスを獲得。なお、インマニからパイピングは特殊放熱塗装により、カッパー色に染められている。
本格的なターボチューニングは、フロントの重量増加というマイナス要素を生む。それではRX-7本来の切れ味がスポイルされてしまうため、エンジン搭載位置は後方に5cm、下方に5cmほど移設している。
クーリングチューンも凄まじく、スーパーGTマシンのノウハウを取り入れたエアロエフェクトをフロント周辺に搭載。ボンネットの中央部はトンネル状になっていて、フレッシュエアをダイレクトに供給。吸気と冷却用のエアの流れを完全に独立させているのである。
排気系はワンオフタイプのエキゾーストマニホールドに、90φのドルフィンテールマフラーという組み合わせで、これらはパワークラフトが製作を担当。カーボンディフューザーとのマッチングもバッチリだ。
エクステリアは『スーパーグレッディIII』ボディキットをベースに、ワンオフ造形で仕上げたもの。立体的なフェンダーダクトやエアアウトレットにより、かなりワイドな印象を受けるが、実際のサイズはフロント/リヤともに片側30mm程度の拡幅となっている。
リヤセクションで雨さんが拘ったのが、丸型ワンテール。近年のフェラーリが採用しているスタイルをどうしてもFD3Sに採り入れたかったそうだ。LEDテール自体は市販品、アウターのカーボンケースはワンオフとなる。
サスペンションはエンドレスと共同開発で作り上げたオリジナル車高調を搭載。アーム類はサスペンションに入力される負荷に対して、リニアに足を動かすことを目的にフルピロ化している。
ホイールは18インチのエンケイRS05RR(F10J+30 R10.5J+15)でタイヤにはアドバンA052(265/35R18)を組み合わせる。
外装に合わせてブルー系でまとめられたインテリア。シートはブリッドのVIOS III。メーターパネルにはAIMのデジタルダッシュがスマートに収まる。フロントウインドウが、断熱&UVカットのクールヴェールに変更されているのも注目点だ。
デビューから30年近くが経過し、円熟期を迎えた感のあるFD3Sチューニングだが、RE雨宮のようなチューナーがいるかぎり進化はまだまだ続くはず。中古相場は値上がり傾向にあるが、それは当たり前だ。今後このような純血ピュアスポーツが誕生することなど二度とないのだから。FD3Sとは、存在自体が奇跡のようなものなのである。
●取材協力:RE雨宮 千葉県富里市七栄439-10 TEL:0476-90-0007
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