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ラシーンベースでここまでやるか!
ハコスカ要素を全身に散りばめたフルカスタム仕様
今回紹介する“ラコスカ”は、学生カスタム史に残る傑作と言えるだろう。製作したのは、日産京都自動車大学校カスタマイズ科の有志4名。
同科は3年までに鈑金・塗装技術を習得した学生が進む過程で、カスタムカー製作は企画立案とそれを実現するための各種折衝を学ぶための実習となるものだ。このラコスカは「ハコスカオーナーのためのファミリー用」をコンセプトに、買い物からキャンプなどマルチに使える現代のハコスカをイメージして約6ヵ月で作り上げた。
ベースになったのは1998年式日産ラシーン(RB14系)で、フロントウインドウとルーフのラインがハコスカに似ているからと言うのが選択理由。フロントフェンダー中間あたりでボディをカットし、ハコスカのフロントマスクを移植している。
製作の過程で最も苦労したのはリヤ周りだったそう。上下分割式リヤゲートの機能は生かしたままハコスカのテールランプを装着するために、マウントの製作と下側ゲートをカット。バンパーは鉄風のメッキ仕上げとし、バックランプを追加するなど徹底的な拘りを見せる。
驚くことに、リヤフェンダーにはシッカリと“サーフィンライン”も再現。ドアのプレスラインはハコスカから移植したもので、それに合わせてリヤパネルをパテで造形しているのだ。
グリップ式のドアハンドルも“らしさ”を演出する重要な部分だが、もちろんそのまま装着できるわけがない。まず丸いくぼみ部分をK12マーチのドアから移植して、そこにハコスカのドアハンドルを加工移植しているのだ。
ホイール&タイヤは14インチのRSワタナベ8スポーク(FR7.5J)にミシュラン(FR185/65)という組み合わせ。ビス留めタイプのオーバーフェンダーもベストマッチだ。
インテリアは黒基調で統一し、シートにはレザーカバーを装着。ダットサンコンペのステアリングも旧車感を引き出す重要アイテムだ。
開けてビックリのエンジンルームは花柄仕上げ! これは、女子生徒がコツコツとハンドメイドで描いた大作とのこと。GA15DEエンジンやドライブトレインはノーマルとなっている。
ハコスカ顔のフェイスリフトという発想の面白さに注目が集まりがちだが、よく観察してみると、細部フィニッシュまで徹底的に拘ってメイキングされたことが分かる。学生ならでは発想力と挑戦魂が生んだ、まさに大作だ。
●取材協力:日産京都自動車大学校 京都府久世郡久御山町林八幡講27−6 TEL:0120-55-3723
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日産京都自動車大学校
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