目次
160馬力オーバーの激速エッセターボ
フルチューンKF-DETにRHF5タービンをセット!
アルトワークス専門のイメージが強い“キャドカーズ”だが、その守備範囲は幅広く、他車種の尖りまくった仕様に乗るユーザーも決して少なくない。今回紹介するL235型エッセは、まさにその最高峰と言っても過言ではないスーパーチューンドだ。
オーナーの前田さんは、東北660選手権で激走するエッセに一目惚れし、そのまま購入に踏み切ったしたという変態。当初は軽快なNAのフィーリングに満足していたものの、どうしても勝てない“ライバル”の出現で究極的なターボチューニングを決意する。
「どうしても、峠でZC31S型スイスポの速い人に勝てなくて(笑) それでKF-DETエンジン(ムーブやミラなどに搭載される3気筒660ccターボエンジン)へのスワップをキャドカーズで行いました。おかげですごく速くなりましたが、今度はワインディングが手狭に感じてきたんです。そこで、ステージを筑波サーキットに変更。現在は、タイムアタックに取り組んでいます!」と前田さん。
タイムという指標ができたことで、エッセのチューニングはさらに加速。ハイフローターボ化→ターボ用ピストン投入→RHF5タービン化→強化バルブスプリング…とパワーチューンを進めつつ、クロスミッションの導入や足回りの見直し、ブレーキ強化などトータルバランスを高めるアップデートが重ねられた。
なお、現在のパワーユニットは、RHF5タービンの性能を使い切るために仕上げられたもので、ブースト圧1.8キロ時に161.7psを発揮。レブリミット9000rpm、アタック時に常用する6000〜8000回転が頼もしいエンジン特性へと仕上げられたのだ。
エンジンマネージメントは、長らくeマネージアルティメイトを使っていたが、より綿密な制御を求めてF-CON Vプロ3.4に変更された。
このパワーグラフは、ハイフロータービン時代(青線)と現仕様(赤線)の比較。5000rpm以降の伸びが凄まじく、軽自動車とは思えない曲線を描いている。
後部には燃料の片寄りを防止するコレクタータンクも設置されている。
足回りはスピリット・スペックS車高調を軸にセットアップ。スプリングレートはフロント16kg/mm、リヤ14kg/mmの設定だ。
軽いボディにパワフルなエンジンを搭載しているため、ブレーキもエンドレスの4ポットキャリパーキットを導入してストッピングパワーをフォロー。タイヤは試行錯誤を繰り返した結果、現在はフロント195/50R15&リヤ165/55R15のポテンザRE71-RSに落ち着いている。
室内のメイキングも抜かりなし。アンダーコートを撤去した上で、サイトウロールケージの7点式ロールケージを導入。エアコン&オーディオ等の快適装備も潔く捨て去り、必要な追加メーターを美しくレイアウトした。なお、パワステは電動化済みだ。
各部にダクトが設けられたエクステリアは、オーナーのセンスによるもの。エッセのキャラクターを全否定するかのような前置きインタークーラーもインパクト抜群だ。
速さのみを求めて進化を続けるエッセ。何より、常識に捉われないスペックは、チューニングの面白さと奥深さを教えてくれているようだ。
●問い合わせ:キャドカーズ 大阪府和泉市納花町406-4 TEL:0725-58-1323
【関連リンク】
キャドカーズ
http://www.cadcars.info