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まるでGTマシンのスケールダウン仕様!?
タービン交換&空力強化でタイムアタック戦線に挑む!
新進気鋭のS660専門店として存在感を増している“44G”。今回紹介するのは、そんな44Gが開発したタイムアタック仕様。セントラルサーキット1分29秒台、筑波サーキット1分4秒台…と、仕様変更を繰り返しながら進化を続けている1台だ。
エンジンルームに収まるS07Aユニットは、660ccのままキャリロ製ピストン&コンロッドで徹底強化。タービンは今年に入って1基あたり250㎰の風量を持つギャレットGBC17にチェンジ。インターセプトを早めるべく中間域でNOSを噴射、最大ブースト圧3.0キロ時に約220psを発揮する。
「オリジナルのワンオフ・インタークーラーも追加していて、冬場の吸気温度は30〜40度、NOSを噴射すると20度くらいまで下がります。ただ暖かい時期になるとエンジンルーム内は80度近くまで上がり、パワーが低下していました。そのため、インタークーラーの配置やサイズは何度も変更。今回はフレッシュエアを取り入れるべく、エアシュノーケルを追加したところ吸気温度は30度近くまでまで下がりました」と吉田さん。
ちなみに、このエアシュノーケルは何とプラスチックのゴミ箱を加工して製作した即席のもの。このように速さに繋がるものなら何でも取り入れるスタンスで、ボディサイドの下面両脇にはホームセンターで入手した長いゴム板を追加。フロア下の空気をスムーズに流すなどテスト&トライを繰り返す。電動式フラップ付きのGTウイングもそのひとつ。ストレートではウイングを寝かせて高速コーナーで立てることで、限られたパワーを最大限に活かせるようにしているのだ。
660cc仕様ではタービンの立ち上がりが悪く、中間トルクが不足するということで、それを補うためのNOSもセット。アクセル全開時、ステアリングに設けたスイッチを押せば50psが瞬時に上乗せされる。
重要なエンジンマネージメントは、HKSのF-CON iS+フラッシュエディターが担う。
純正ドアパネルは、左右で約50kgと重いのでサイドビームを抜くなどして軽量化。その他、FRPパーツなどを駆使してシェイプアップを進めるも、ロールケージや補強パーツを追加しているため、車重は約800kgとノーマルよりは少し軽いくらいに留まっている。ちなみに、ステアリング上のスイッチはGTウイングを可変させるためのものだ。
ブレーキはオリジナルのヴァルムントブレーキキット。対向6ポットキャリパー+285mmローターの組み合せで制動力を底上げする。
ボルドワールドとタッグを組んで開発したアブソリュートDS車高調は、走りはもちろん乗り心地も快適なスペックで、要となるフロントはアッパーマウント部をかさ上げして、バンプストロークを確保するなど細かいセッティングにも余念はない。スプリングはフロント12kg/mm、リヤ18kg/mmを組み合わせる。
このチューンドに試乗したターザン山田は「軽自動車とは思えないパワーと旋回スピード! これはちっちゃいGTカーだよね。もっと攻めたい、タイムを出したいって気持ちにさせてくれる。軽さもあってか、ハコ車というよりレーシングカーっぽい動きで、攻めていてもテンション上がりまくりだったよ。これは楽しいね」と評価。
パワーウェイトレシオはR35GT-Rに匹敵する3.63に達するハイチューン仕様。来たるタイムアタックシーズンを盛り上げてくれる台風の目となるはずだ。
●取材協力:ヨンヨンジー 京都府木津川市山城町平尾横手31 TEL:0774-86-6100
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